2025年6月3日
GIGAスクール端末のデータ消去、「専用ソフトウェア利用」はわずか12.5%=児童生徒のデータプライバシー協会調べ=
児童生徒のデータプライバシー協会は2日、2025年以降GIGA端末の処分件数がピークを迎えるのにあたり、全国104の教育委員会を対象に実施した、「GIGAスクール端末処分に関する実態調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、「データの消去方法」について聞いたところ、教育委員会の約4分の1(23%)が、GIGA端末に「適正と言えないデータ消去方法」(初期化・磁気消去)を行っていることが分かった。
また、通電不可端末などでやむを得ず物理破壊する際も「SSDは2mm以下に粉砕が必要」と定義されている「物理破壊」と「初期化・リセット」を合わせると、「適正と言えないデータ消去方法」は全体の約4割を占めた。
初期化・リセットではデータが確実に消去されたことを1台ずつ証明する手段がなく、実際にはデータが端末内に残存し、復元ソフトなどを使えば読み出される可能性もある。
一方で、最も安全とされる「専用ソフトウェアを用いたデータ消去」を実施しているのはわずか12.5%にとどまっており、教育委員会の多くがGIGA端末のデータ消去漏れリスクを抱えている現状が浮き彫りになった。
次に、「データ消去履行の確認方法」について聞いたところ、全国の教育委員会の3分の1以上(37.5%)が「1台ごとの消去ログが取れないデータ消去履行確認を実施」と回答。さらに、「資産管理番号を区別可能(=データ消去作業ログが取れる)な証明書を委託事業者から取得予定」は約2割(20.2%)で、大きな差が生まれている。
今後、多くの自治体でGIGAスクール端末の処分事業者選定が本格化を迎える前に、1台ごとの消去ログが取れる適正なデータ消去作業を、各自治体が実施していく必要がある。
また、「データ消去の費用」について尋ねたところ、GIGAスクール端末の処分やデータ消去予算を確保できている教育委員会は3分の1以下(28.8%)にとどまっており、児童生徒、保護者が安心してGIGAスクール端末入れ替えを完了できる環境とはいえない結果となった。
その課題として、「必要な情報不足」の他、「適正に対応できる事業者が分からない、見つからない」「予算が確保できない」といった声が寄せられた。特に予算の制約から、GIGA端末の調達と処分を一括で委託するケースが多いと考えられ、教育委員会が適正な判断や運用を行うための支援体制強化が求められる。
この調査は、全国1787自治体の教育委員会(都道府県、市区町村)を対象に、4月末~5月上旬にかけて、郵送配布とFAX回収の形で実施した。有効回答数は104件。
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