2025年6月23日
児童生徒のデータプライバシー協会、GIGAスクール端末の「適切なデータ消去方法」などを提言
児童生徒のデータプライバシー協会は、6月19日にメディア向けラウンドテーブルを開催し、児童生徒のデータプライバシー保護に向けて、GIGAスクール端末の「適切なデータ消去方法」と「予算確保」を提言した。
当日は、「教育委員会のGIGA端末処分の実態調査」をテーマに、横尾俊彦・佐賀県多久市長(全国ICT教育首長議会長)、同協会の佐原忠史、塚本幸治両理事が出席し、端末処分に関する現状の課題を報告したほか、適切なデータ消去方法やそれに必要な費用について説明。
全国の教育委員会を対象に実施した最新の実態調査をもとに、処分・消去を担う事業者選定のポイントなどを紹介し、児童生徒の個人情報を保護するための「適切なデータ消去と処分方法」、そして「自治体における予算確保の重要性」について提言を行った。
塚本理事は、「政府が掲げる『GIGAスクール構想』で配備されたGIGAスクール端末は、2025~2027年にかけて約950万台が更新時期を迎え、これは国内の新品パソコンの出荷台数に匹敵する数」と述べ、端末に残されるデータは、情報漏えいを防ぐために万全の対策を講じるべきだと強調。「端末処分とデータ消去はセットで考えてほしい」との見解を示した。
また、小学校の子どもを持つ保護者へのアンケート調査で、「子どものデータ流出を不安に思う」と回答した割合が82%にのぼったことに触れ、「実際に子どもが使用したPCがどうデータ消去がされ使われていくのか、保護者に応えていく必要があり、何かあってからでは遅い」とコメント。24~25年にかけて教育現場の情報漏えい事件が多発している状況についても報告した。
続いて登壇した佐原理事は、安全なデータ消去方法について解説。2020年12月に総務省が発令した「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」について説明した上で、「改定後は、データの機密性レベルを分類し、それに応じた消去方法を策定、いずれもデータ消去に関する責任はデータを持つ法人にあるとされ、GIGA端末処分の場合は自治体・教育委員会などがそれにあたる」と述べた。
また、2025年3月に発令された「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」にも触れ、機器の廃棄などの方法は、「GIGA端末の場合はNIST Purgeに該当。抹消後に外部に出す際は、抹消処置を完了したというエビデンスも確認されなければいけない」と説明した。
最後に、「児童生徒のプライバシーを守るための最適なデータ消去方法」として、信頼できるソフトウェアでの消去、NISTの「Purge」レベルでの消去、その際に自動的に発行される消去証明書の取得と管理が「最も安全で安心なGIGAスクール端末の適切なデータ消去と処分方法である」と締めくくった。
一方、横尾市長は、「自治体目線で考える、GIGAスクール端末の処分・データ消去」をテーマに解説。同市長が会長を務める全国ICT教育首長協議会の調査結果などを発表した上で、「ポイントは、どうやって予算を確保するということかと、自治体トップならびに幹部がしっかりと状況を理解することでGIGAスクール端末処分に臨みたい」などと話した。
最後に行われたトークセッションでは、横尾市長、佐原理事、塚本理事が登壇し、GIGA端末の「データ消去予算確保の必要性」について意見を交わした。
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