2025年10月14日
塾・家庭教師、高校受験生の約4割が「利用しない」と回答=じゅけラボ予備校調べ=
エンライクが運営する「じゅけラボ予備校」は、2025年度の高校入試を経験した15~16歳の子どもを持つ40~59歳の保護者850人を対象に実施した、「高校受験の対策としての学習支援サービスの利用実態」に関するアンケート調査の結果をまとめ、10月10日に発表した。

それによると、「受験対策として塾や家庭教師(オンラインを含む)を利用したか」と聞いたところ、約4割(37.3%)の保護者が「利用していない」と回答。およそ3人に1人以上の生徒が、塾や家庭教師を利用せずに受験に臨んだことが分かった。
一般的に考えられている「高校受験=塾通い」という常識を覆す結果となったが、これは、教育費の負担増が続く中、多くの家庭が塾の費用を捻出することに困難を感じている現状を反映していると推察される。また、無料の学習動画コンテンツや高機能な学習アプリの普及で、コストをかけずに学力を補完できる環境が整いつつあることも「塾離れ」の一因と考えられる。
一方で、塾や家庭教師を利用した家庭に目を向けると、依然として対面での指導に絶大な信頼が寄せられていることが明らかになった。塾や家庭教師などの利用実態を尋ねたところ、「集団指導塾(対面)」が28.1%、「個別指導塾(対面)」が27.1%と、両者で利用者全体の半数以上(55.2%)を占めた。
同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境や、講師によるきめ細やかな学習進捗の管理、そして直接対話できる安心感が、デジタル化の波の中でもなお、多くの保護者と生徒に選ばれる理由と思われる。特に「集団」と「個別」がほぼ同率である点からは、競争環境を求める層と、自分のペースを重視する層のニーズが2極化している様子が伺える。

また個別指導、集団指導、家庭教師など全てのオンラインサービスを合わせても、その利用率はわずか4.7%で、最近根付いてきたオンライン学習だが、高校受験という重要な局面では、まだ限定的な利用に留まっている実態が浮き彫りになった。
場所を選ばない利便性がある一方で、「子どものモチベーション維持が難しい」「質問がしづらい」「対面に比べて集中力が続かない」といった課題が、オンライン学習の本格的な普及の障壁となっていると推測される。デジタルネイティブ世代である子どもたちにとっても、受験勉強という高い集中力と自己管理能力が求められる場面では、リアルの場の価値が再認識されているといえる。
この調査は、2025年度の高校入試を経験した15~16歳の子どもを持つ40~59歳の保護者を対象に、7月18日~9月3日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は850人。
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