2025年8月5日
総合型選抜、課外活動生徒は「6割以上が高3から準備を開始」=じゅけラボ予備校調べ=
エンライクが運営する「じゅけラボ予備校」は4日、総合型選抜入試で受験した18~21歳の男女201人を対象に実施した、「課外活動実績の有無と受験準備の開始時期についての関係性」に関するアンケート調査の結果をまとめ発表した。

それによると、「総合型選抜入試の準備はいつから始めたか」と聞いたところ、部活動や課外活動などで活動実績があると回答したグループでは、準備を開始した時期として最も多かったのが「高3の4~6月」37.2%で、次いで「高3の7~9月」23.2%となっており、この2つの期間だけで全体の6割以上(60.4%)を占めていた。
多くの生徒が高3に進級してから、特に春から夏にかけて集中的に準備を本格化させている傾向を示している。3位には「高2の1~3月」11.0%が入っており、早期に準備を始める層も一定数存在することが分かった。
一方、明確な活動実績がないと回答したグループでは、「高3の7~9月」に準備を開始した割合が32.4%で最も多く、2位は「高3の4~6月」21.6%、3位は「高2の1~3月」13.5%だった。実績あり層と同様に過半数(54.0%)が高3に進級してから準備を始めているが、ピークがより夏に近い時期にシフトしており、全体的に準備開始が遅れる傾向が見られた。
総合型選抜の準備開始を「覚えていない」と答えた割合は、活動実績のない層(21.6%)が、実績のある層(4.9%)の4倍以上にのぼった。これは単なる物忘れとは考えにくい。実績のある生徒は「大会の記録をまとめる」など準備のきっかけが明確だが、実績のない生徒は「自分に何ができるだろう」という漠然とした悩みからスタートするため、準備の開始時期が本人の中でも曖昧になりがちなのかもしれない。
「覚えていない」という回答の多さは、活動実績のない生徒ほど「何から手をつけて良いか分からなかった」という、準備初期の困難に直面していた可能性を示唆している。
また、高2までに準備を開始した生徒の割合は、「活動実績有り」の層では32.4%(約3人に1人)に達しており、部活動や探究学習、資格取得といった長期的な活動を通して、早い段階から自身の興味・関心と向き合い、それが自然と大学選びや自己分析に繋がっていると考えられる。
一方、「活動実績なし」の層で高2までに準備を始めたのは18.9%(約5人に1人)に留まっており、高2の段階ではまだ一般選抜を主軸に考えていたり、総合型選抜のための特別な準備を具体的に意識していなかったりする生徒が多いことが伺える。活動実績の有無が早期の受験意識そのものに影響を与えている可能性も示唆している。

今回の調査では、総合型選抜入試の成否を分ける準備の開始時期について、活動実績の有無にかかわらず「高2までに始めるべきだ」という意見が過半数を占めることも明らかになった。これは、多くの経験者が「もっと早くから準備しておけば良かった」という実感を持っていることの表れと言える。
具体的には、活動実績が「ある」と回答した学生の56.1%、活動実績が「ない」と回答した学生の51.3%とどちらも過半数が、「高2の3月までに」準備を始めるのが良いと考えていた。両者ともに過半数が早期準備の重要性を指摘しており、これが総合型選抜を突破するための共通認識であることが伺える。
特に、自身の活動をアピール材料として持つ実績あり層の方が、準備に時間がかかることをより深く理解しており、早期着手を推奨する声がわずかに上回る結果となった。この結果は、これから総合型選抜を目指す高1、2年生にとってかなり重要なメッセージだ。
付け焼き刃の対策では対応が難しいこの入試方式で、「まだ早い」という油断は禁物で、実績の有無に関わらず、早期から自己分析や情報収集を始めることが、希望の進路を実現するための揺るぎない土台になる。
これまでの調査結果で、活動実績の有無が準備意識に差を生むことが分ったが、一方で、両者には極めて重要な「共通認識」が存在することも明らかになった。それは、総合型選抜の準備を開始すべき「勝負の時期」。
「高2の1~3月」と「高3の4~6月」の2つの期間を合計すると、活動実績が「ある」学生の42.7%、活動実績が「ない」学生の40.5%が、この時期に準備を始めるべきだと回答している。
これは、総合型選抜入試で受験した学生の約4割が、活動実績の有無に関係なく、「高3を目前にした冬から、新学年になった春」を、準備開始の最適期、いわば「ゴールデンシーズン」と捉えていることを示している。
また、今回の調査で活動実績なしの受験生の回答で最も多かったのが、「総合型選抜入試の準備はいつから始めるのが良いと思うか?」という質問に対する「分からない」という回答の割合。
活動実績が「ある」と回答した学生のうち、「分からない」と答えたのは13.4%だったが、活動実績が「ない」と回答した学生では、その割合は27.0%にまで跳ね上がった。活動実績のある学生の2倍以上の数値で、4人に1人以上が準備の開始時期について具体的なイメージを持てていない深刻な実態を示している。

さらに、今回の調査では、総合型選抜入試の受験生が考える「理想の準備開始時期」と「実際の開始時期」の間に、大きなギャップが存在することも明らかになった。これは、多くの経験者が「もっと早く始めておけばよかった」という後悔を抱えていることの何よりの証左と言える。
活動実績が「ある」学生は、56.1%が「高2まで」に準備を始めるのが理想と回答したが、実際にその時期に準備を始めたのはわずか32.4%だった。理想と現実の間には約24%もの開きがあり、計画通りに早期着手できた学生は少数派であることが分かる。
この傾向は、活動実績が「ない」学生ではさらに深刻になる。理想では51.3%が「高2まで」の開始を望んでいたが、現実は18.9%しか行動に移せていなかった。その差は32.4%にも達し、さらに、実際の準備開始時期で最も多かったのは「高3の7~9月」32.4%と、出願を目前に控えた夏休み期間に集中していた。理想とは裏腹に、多くの学生が追い込まれる形で準備を始めている「危険な実態」を示している。
この調査は、事前調査で「総合型選抜入試(旧AO入試)で大学受験をした」と回答した全国の18〜21歳の男女を対象に、6月13日~7月18日にかけてインターネットで実施した。有効回答数は201人(課外活動の活動実績有り164人/活動実績なし37人)。
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