2026年10月9日
グロービス経営大学院、日経ビジネスとAI活用の実態や組織課題を共同調査
グロービス経営大学院は7日、ビジネスメディア「日経ビジネス」と共同で、グロービス経営大学院の在校生・卒業生を対象に実施した、AI活用の実態や組織における阻害要因、AI時代のビジネスパーソンに求められる能力についての調査結果を発表した。
それによると、経営層のAI活用頻度について、「業務の中核としてAIを活用している(AIなしでは業務遂行が困難)」は23.7%、「日常業務の中で頻繁に利用している(ほぼ毎日)」は56.1%となり、合わせて79.8%だった。経営層において、AIの活用が日常業務に広がっている。
AIの利用目的では、経営層は「情報収集・調査」(86.3%)、「文書作成・推敲・文字起こし」(84.2%)が上位だった。なお、「意思決定支援(シナリオ分析、意思決定の補助等)」へのAI活用は、経営層で47.5%、一般社員で28.7%となった。
自組織のAI活用頻度とAI活用を阻む要因との関係を分析したところ 、「AIに限らず、新しいものを導入した際の試行錯誤や失敗を許容する文化がない」は、相関係数 r=−0.29で、阻害要因の中で最も強い負の相関を示した。次いで、「経営層のAI理解度が低い(r=−0.26)」、「AI活用の目的・意義が不明確(r=−0.23)」だった。
組織におけるAI活用頻度には、ツールやルールだけでなく、新たな取り組みにおける試行錯誤や失敗を許容する文化、経営層のAI理解などといった組織的な要素が関係していることが示唆される。
所属組織でのAI活用推進を鈍らせている主な要因を尋ねたところ、経営層では34.5%が「組織においてAI活用の推進を鈍らせている要素は思いあたらない」と回答。一方、一般社員では、「業務で使用できるツールに関する制限が厳しい(37.6%)」、「経営層のAI理解度が低い(28.0%)」、「新しいものを導入した際の試行錯誤や失敗を許容する文化がない(26.8%)」となった。AI活用をめぐり、職位によって自組織の現状の捉え方に違いがあることがわかった。
経営層に、今後3~5年でAIが不可欠な役割を担うと考える業務を尋ねたところ、「バックオフィス業務(総務・経理等)(88.5%)」が最も高く、「マーケティング(顧客理解・販売促進等)」と「戦略立案・分析」がともに69.1%だった。
一方、今後3~5年で人間が不可欠な役割を担うと考える業務では、「営業・販売・接客(77.0%)」、「ビジョンの発信・共有(74.1%)」、「モチベーション・メンタルヘルス管理(64.7%)」が続いた。
今後、AIの活用が幅広い業務領域に広がると考えられている一方、人間には、ビジョンを示したり人と向き合ったりする領域で重要な役割が期待されていることが分かった。
同調査では、経営層が今後3~5年でビジネスリーダーに求められる能力として重視しているのは、「リーダーシップ(人・組織を巻き込み、方向づける力)(86.3%)」、「コミュニケーション能力(対人・対組織の調整力)(82.7%)」、「やり抜く力(困難に直面したときにあきらめない意欲)(79.1%)」などであることが分かった。 一方、「デジタル・AI活用能力(生成AI・ITツールの業務活用)」は48.9% だった。
経営層では、人や組織を巻き込み、方向づけ、やり抜く力が重視されていることがうかがえる。
また、職位別に見ると、「好奇心」を重要な能力として挙げた割合は、経営層69.8%、上級管理職63.3%に対し、中間管理職49.8%、一般社員42.0%となった。経営層・上級管理職ほど「好奇心」を重視する傾向が見られ、AI活用が広がる中で、新たな可能性に関心を持ち、問いを持ちながら探究し続ける姿勢も、 AI時代のリーダーに求められる重要な要素と考えられる。
■調査概要
調査期間:2026年5月19日~6月14日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:グロービス経営大学院在校生・卒業生
有効回答数:618名(うち経営層139名)
回答者属性:
【職位】経営層 139人(22.5%)、上級管理職 90人(14.6%)、中間管理職 221人(35.8%)、一般社員 157人(25.4%)、その他 10人(1.6%)
【所属組織の従業員規模】5,000人以上 165人(26.7%)、1,000~4,999人 131人(21.2%)、300~999人 102人(16.5%)、100~299人 72人(11.7%)、100人未満 146人(23.6%)
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