2014年8月21日
情報教育研究会/先生が語るiPad導入までの道のり
情報教育研究会は20日、”教育分野におけるデジタル教材・クラウド”をテーマにした「第4回研究大会」を東京のアルカディア市ヶ谷で開催した。
研究発表・講演では、品川女子学院の酒井春名教諭が「クラウドを使用した新しい授業とその可能性」をテーマに、同学院での実践例を紹介した。
品川女子学院は、東京・品川区の私立中高一貫校。“28歳になったとき社会で活躍している女性を育てること”を教育方針とした「28プロジェクト」を掲げ、将来の仕事に結びついた授業を行うなど、「起業マインド」の育成に注力している。
来るべき“1to1”(生徒1人1台)タブレット活用に対応するため、まずはプラットフォームが必要と考え整備に取り組んだ、と酒井教諭。そこで選んだのが、テキストや写真、画像、音声などをメモ形式で管理できるクラウドサービス「Evernote」だった。
2013年10月、Evernoteの利用を開始。教員と生徒間の情報伝達等のプラットフォームとして活用し、書き込みができるクラス共有ノートブックなどへと利用の幅が広がっていった。動画教材なども置けるため、いまでは反転授業に近いものや自宅学習のフォローといったことにも利用されているという。
また情報共有のために、Gmail、Googleカレンダーなどが利用できるGoogle Appsを活用。生徒全員がアカウントを取得している。
今年5月には、高校2年の生徒を対象に企業から借り受ける形でiPad miniを導入し、“1to1”環境が実現。同校ではICT活用による効率化を図るとともに、企業とのコラボレーションなどを通じて実践的な授業を行っていくという。
また、桜丘中学・高等学校の品田健副校長が「”これをやれ”と言わずにiPadを渡すとどうなるのか?」をテーマに登壇。今年5月、中高の1年生を対象にiPadを導入するまでの経緯などを語った。
2012年秋、教職員と2013年度の新入生へのiPad導入を校内役員会で決定し、13年春には校内無線LAN化工事を1千万円弱の予算をかけて行った。さらに5月、専任教職員全員にiPadを配布し、着々と導入を進めた。
iPadは道具でありそれを使うことが目的ではないという見解から、“使う・使わないは先生次第”としていたが、その後の調査で日常的に使っている教職員が40%程度にとどまるなど、教職員間の“温度差”が生じていたと品田副校長は語る。
そうした中で、面談や個別相談、入試などの校務がシステム化され、タブレットなどを使う場面が増えたことなどから、徐々に教職員の間での利用も広がってきたという。
iPadを役立てるには、 “使わなくてはいけない”環境づくりとともに、職員会議での実践報告を行うなど、教職員の理解促進が大切だと述べた。
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