1. トップ
  2. ICT活用レポート
  3. 雲雀丘学園中学校・高等学校、授業支援アプリを活用した問題演習授業

2018年1月19日

雲雀丘学園中学校・高等学校、授業支援アプリを活用した問題演習授業

【PR】MetaMoJi ClassRoomを活用した問題演習
雲雀丘学園中学校・高等学校 数学科 道北 秀寿

はじめに

「学校でしかできないことを学校で」。

情報通信技術が発達した現在、生徒たちは自宅にいながら優れた講義を簡単に視聴することができる。このような時代には、私たち学校教員は講義中心の授業ではなく、「その場に教師と他の生徒がいることではじめて成り立つ授業」を目指すべきではないだろうか。

hibari-1

雲雀丘学園中学校・高等学校 道北 秀寿

問題演習授業の改善

img3中学校・高等学校における数学の授業では、教科書の内容を説明したのち、その内容を確認、定着させるための問題演習を行うのが通常である。

しかし、今までの問題演習授業では、模範解答を教師が一方的に説明する「一方通行型」で、生徒が数学的な事象や性質、解法のアイデアを考える時間はほとんどない。

img4また、答案作成についても、「説明を丁寧に」「論理的な答案を」と呼びかけるのみで、他の生徒の答案を参照することや別の解法を検討することはほとんどなく、結果として生徒は、教師が示す模範解答をノートに写すことに終始している。

これらの問題点を改善するため、問題演習授業をタブレット端末iPad、授業支援アプリMetaMoJi ClassRoomを活用した「双方向型」のグループ学習に転換することを試みた。

他の生徒の答案を参照する

高等学校1年を対象に問題演習授業をMetaMoJi ClassRoomを活用して、グループ学習形式で行った。

img5これまで生徒は、友達のノート、答案を参照することはなかった。隣に座る友達が授業中どのようにノートをとって、どのような解答を書いているのか? 友達と自分を比較し、学習方法を考えていくことは生徒にとって大切なことである。

img6MetaMoJi ClassRoomを用いると、事前に提出した生徒の答案をスキャナで読み取り、アップロードしておくことで、生徒たちは端末を通じて自由に友達の答案を参照することができる。

同じグループの生徒の答案だけでなく、クラス内の他のグループの生徒、他のクラスの生徒、他学年の生徒の答案でさえも参照できる。

グループ学習が始まるとすぐに、生徒たちはグループ内で答案を直接交換し、相互参照を始めた。正解に近い答案があれば、それを中心に議論が進んでいく。しかし、多くのグループは不完全な答案ばかり。すると生徒たちはiPadを操作し、他のグループの答案を参照し始めた。

議論する、書き込みながら考える

各グループで解法・解答の手順の検討が始まった。iPadを机の中央に置き、それぞれの考えを説明していく。それと同時にスタイラスペンでiPadに自由に書き込みながら自分の意見を述べていく。間違ってもすぐに消し、議論の中で解法が次々と更新されているようだ。そして、教室前面のスクリーンには各グループの議論の様子がリアルタイムに映し出される。生徒たちは時折スクリーンを見て、他のグループの進捗が気になる様子だ。20分ほどで、各グループとも共同作成した答案が画面上にできあがった。

議論の成果を発表する

グループで代表者を決め、発表を行う。MetaMoJi Classroomを操作してスクリーンに発表者の画面を投影し、発表者は自分の席で起立しiPadを手に発表を行う。レーザーポインターツールを使い注目する箇所を指示したり、色ペンを用いて書き込みながら説明をしたりするなど、生徒は工夫をして発表しようとしている。

img7授業終了後に授業の感想をアンケート調査した。その中に「画面に直接色や文字を書き込むことが非常に難しく、ストレスを感じた」との意見があった。そこで今後は紙に解答をまとめ、それをカメラで撮影し、画像をノートに貼り付けることを検討している。生徒たちはタブレット端末の操作には習熟しており、特に操作に関して不自由に感じることはなかったようである。

社会で通用する能力を育てる

多くの人の考えを知り、議論して、自分の考えをまとめ発表することは、社会生活を行う上でとても重要なことである。アンケートには「恥ずかしいことも多少あるけれど、普段よりも人に伝えられる情報がぐんと多くなって発表しやすくなった」「それぞれの解答を共有して考えることで理解が深まりました」とあった。iPadとMetaMoJi ClassRoomをグループ学習や発表活動に取り入れることで、自分の意見や考え方を他人と議論し、発表することが容易になるようである。

今まで私たちは、「何をどれだけ、どの程度教えるか」ばかり気にしていたように思う。これからは、「生徒がどのように習得していくのか、どのように教えるのか」を第一に考え授業をデザインしていくことが求められるのではないだろうか。そして、いずれ社会に出ていく生徒たちに、知識だけでなく「社会で通用する能力」を身に付ける授業を目指したいと思う。

関連URL

雲雀丘学園中学校・高等学校

リアルタイム授業支援アプリ「MetaMoJi ClassRoom」

MetaMoJi 学校での導入事例

自律的な学習者への第一歩に 自己効力感の向上 活用事例多数紹介 すらら 活用事例のご紹介
大塚商会
ユーバー株式会社

アーカイブ

  • ICT要員派遣はおまかせ! ICTまるごとサポート 詳細はこちら
  • 事例紹介作って掲載します。 ICT教育ニュースの楽々 事例作成サービス