2014年6月9日
iOSコンソーシアム/iPad使ったイベントの模擬授業に参加者熱中
iOSコンソーシアムは7日、「iPadやICTを活用する事で教育はどう変わるのか?」をテーマに、iPadを1人1台用意し、参加者が「生徒」として最新のEdTechサービスや模擬授業を「体験」するイベント「iPad×ICT 次世代教育を体験しよう!」の第3弾を、東京・代官山で開催した。参加者は教師など30名。
最初にプレゼンテーションを行ったのは、学校現場で安心して使えるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「ednitiy(エドニティ)」の佐藤見竜CEO。
教師と生徒と保護者が共通のクラスコードを介してだけつながるので、公開範囲がクラス内に限定され、安心して時間と場所に制約されないSNSの利点を活かして学習に活用できるという。
模擬授業は、はじめに各自がレゴブロックを使って動物作りに挑戦。出来上がった作品をiPadで写真に撮り、ednitiyのクラスのSNSページにアップすることで共有、教師が投稿された写真を選んで紹介するというも。
出来上がったところで、撮影してednitiyに送信。グループ代表が、プロジェクターの前で発表するという授業スタイルだった。
次のプレゼンテーションは、すでに教育現場での活用実績が多数報告されている、「ロイロノート」の杉山竜太郎取締役。
今回は、今年発売された「ロイロ-ノート スクール」を紹介。「ロイロ-ノート スクール」は、「ロイロノート」の機能に、教師が教材をあらかじめ入れておくことができる「資料箱」や、アカウントを切り替えればタブレットをシェアして使え、ログアウトすればデータがタブレットに残らない機能などを追加したもの。学校現場でより使いやすくなったという。
模擬授業は、「社会 世界の国を知ろう」を想定して、サッカーの国際大会の参加国をそれぞれのグループで調べて、発表しようというもの。
「基本情報」から「文化」「気候」「食べ物」など、各自1テーマを担当して、「資料箱」の情報や「テキストカード」「お絵かきカード」「ウェブ検索カード」「地図カード」など、「ロイロ-ノート スクール」の機能を活用して発表資料を作成する。
個人作業を開始すると、会場は静まりかえり、必死で検索したり資料を作成に熱中する参加者の姿が見られた。
出来上がった個人のテーマ資料は、リーダーのタブレットに送られレ手1本にまとめられ、発表はグループ全員が前にでて行った。教育現場での「協働学習」の流れが想起された。
3番目のプレゼンターは、今年4月から「小学1年生講座」のサービスを開始したディー・エヌ・エー「アプリゼミ」の床鍋佳枝総合プロデューサー。
は、教育とエンターテイメントを融合した”エデュテイメント”がコンセプトの教育アプリ。文字や絵、音、動きのほか、軽快なインタラクションによって能動的に学習に取り組める。また、段階的カリキュラムと、即時に回答の正誤がフィードバックされる機能によって効率的な学習が可能だという。
デモンストレーションでは、ゲーミフィケーションを取り入れた「算数」や「国語」の問題に参加者が挑戦。得点や順位が表示される展開に、興味を示していた。
最後に登壇したのは、今回プレゼンテーションを行った「ednitiy」「ロイロ-ノート スクール」「アプリゼミ」の全てを導入している、多摩市立愛和小学校の松田孝校長。
iPad1人1台を実現し授業に活用している松田校長は「現在の状況では、文部科学省が目指す『2020年までに1人1台PCの実現』は困難かもしれない。本体や環境整備にかかる予算の問題も大きいが、学校1校40台というパソコン教室の延長線で考えている風土もあるかもしれない。1人1台タブレットは成果を上げているのだから、何とかICTの推進に尽力していきたい」と、ICT活用推進の決意を語り、今年2月に大雪で中止になった「授業公開」を今月28日に実施する予定だと発表した。
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