2014年11月4日
iOSコンソーシアム文教WG月例会/ iPad導入 セルラーモデルとWi-Fiモデルの比較
iOSコンソーシアム文教ワーキンググループは10月29日、月例会を東京・渋谷で開催した。
「教育者と企業をつなぐ」をミッションに掲げるiOSコンソーシアム文教WGは、定期的に月例会を開き、教育現場におけるICT活用の情報や課題を共有している。
今回の月例会では、討議セッションで「iPad導入 セルラーモデルとWi-Fiモデルの比較」と「学校向けのMDM どれがいい?」という2つのテーマが取り上げられた。いずれも、タブレット導入を検討・実施する関係者の注目度が高いテーマであり、月例会は満員となった。
最初の「iPad導入 セルラーモデルとWi-Fiモデルの比較」については、iOSコンソーシアム文教ワーキンググループ共同リーダーである野本竜哉氏が登壇した。このテーマを取り上げた背景について野本氏は「無線LAN環境を整備する初期投資と比較して、導入コストの削減が期待できるセルラーモデルに関心が高まってきた」と話す。
既にiPadを導入した学校は、WiFiモデルを選択していることが多い。WiFiモデルが選ばれている理由として野本氏は、①学校のフィルタリングでWeb閲覧の規制をしたい、②画面やファイル共有ができるAirDrop、AirPlayの機能を使いたい、③月額料金の発生は教育機関で使うデバイスとして適さない、という3つの点を指摘する。
だが最近は、WiFiモデルとセルラーモデルに関係なく、両方の端末で使える機能が充実してきたと野本氏は説明する。学校の無線LANアクセスポイントでフィルタリングをしなくても、iOS上で端末にフィルタリング設定できる機能や、最新版のAppleTVとiOS8以上の端末を組み合わせれば、いくつかの条件設定は必要なものの、WiFi環境がなくてもAirDropとAirPlayの機能が利用可能になったことを紹介した。セルラーモデルの月額料金だけは変わらず発生してしまうが、一部でタブレットの通信料を割引するプランもあり、WiFiモデルの導入が当たり前だとされていた初期のタブレット導入時とは状況が変化していると述べた。
セルラーモデルの注意点としては、毎月の通信量に7GB制限があることや、100MB以上のアプリのダウンロードやiOSのアップデートの際には、WiFi環境でなければできないということ。ただし、これについても野本氏は、Apple Configuratorを使って操作したり、ダウンロードが必要な時だけ、暫定的にLAN環境を作るなど、運用面で工夫して使うことも選択肢の一つになると述べた。
2つ目のテーマである「学校向けのMDM どれがいい?」では、教育産業チーフICTソリューションアドバイザーの山口宗芳氏が登壇した。同氏はこれまでに教育機関へ約2000台のiPadを導入した経験があり、MDM(モバイルデバイス管理)について豊富な知識を持つ。
山口氏はiPad導入を検討する教育機関で選定したいMDMのポイントとして、「MDM管理プロファイルの削除ができない仕組みを施している」「iOSバージョンアップ対応が早く、管理者やエンドユーザーへの作業負担がないもの」「MDM各種コマンドの予約実行ができるもの」の3点を挙げた。
また教育機関でMDMを運用する際の注意点として、「学校はMDMを導入すればタブレット管理が完璧にできると考える傾向にあるがそうではない」と指摘。生徒がiPadをリセットしてしまうとMDMの管理から外れてしまい、そのアラート通知が管理担当者に届かないことは、MDMを運用する際に最も注意しなればならない点だと強調した。この問題の回避策については、定期的に生徒の端末がMDMの監視下にあることをチェックしたり、Apple Configuratorによるリセット不可手続きと併用して運用することを勧めた。
山口氏は、教育機関がMDMを導入するメリットは「学内運用が始まって以降、アプリの追加や、運用ポリシーが変更した時のプロファイル編集、パスコードロックの解除などが生徒から端末を回収することなく実行できる」ことだと話す。ただし、学校が得られるMDMのメリットについて費用対効果を追求していかなければ、ランニングコストは意外と高くつくだろうと指摘。その他、MDM製品を選ぶ際に気をつけたい点などにも触れ、参加者は熱心に聞き入った。
iOSコンソーシアム文教WGは、月例会に教育者と企業担当者を集め、月ごとにテーマを設定し情報交換や課題の共有を行っている。教員の参加は無料。企業は原則24万円の会費が必要だが、月例会に1回は無料で参加できる。月例会に関する問い合わせは、iOSコンソーシアムの公式HPの問い合わせ窓口から受付可能だ。 (取材:神谷加代)
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