2017年12月7日
中央大学、3D NANDフラッシュメモリの改良に成功
中央大学は6日、3D NANDフラッシュメモリの垂直方向の電荷移動を抑制することで、メモリーエラー40%削減とデータ保持寿命の2.8倍増加に成功したことを発表した。
同大学理工学部の竹内健教授のグループは、大容量で低コストな3D NANDフラッシュメモリにおける垂直方向の電荷の移動がメモリセルの信頼性を劣化させることを明らかにした。そして、電荷移動を抑制する手法「VTH Nearing」を開発することにより、データ保持中のメモリのエラーを40%削減し、メモリがデータを保持できる時間を2.8倍に増加させることに成功した。
この成果は、隣接するメモリセルのしきい値電圧 (VTH) の間隔を近づけるようにSSDコントローラで変調をかけることで、垂直方向の電界が低減し、電荷移動が抑制されることにより可能となった。
現在、フラッシュメモリは主にスマートフォンやタブレットなどに使われており、2次元のフラッシュメモリが微細化の限界を迎えるなか、垂直方向にメモリセルを積層する3次元化によって、さらなるメモリの大容量化が期待されている。同技術は3D NANDフラッシュメモリに固有の信頼性の問題を解決するもので、今後の大容量化を可能にし、大容量のメモリを必要とするクラウドデータセンタの記憶媒体としての使用が期待できるという。
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