2019年3月1日
全国ICT教育首長協議会、「地域サミット」で教育ICT環境整備のための勉強会
全国ICT教育首長協議会による「地域サミット」の東京大会が、2月28日東京・品川区で行われ、全国各地の地方公共団体や教育委員会などから、教育のICT化に関心の高い教育関係者100名余りが詰めかけた。「地域サミット」は、2018年に発表された「首長アクションプラン」のための勉強会。
文部科学省は新学習指導要領の実施を見据え「2018年度以降の学校におけるICT環境の整備方針」を策定しており、実現のために「教育のICT化に向けた環境整備5カ年間計画」で2018年から2022年まで単年度1805億円の地方財政措置を講じている。
基調講演で、文部科学省 髙谷 浩樹 情報教育・外国語教育課長は、学校のICT整備が目標に到達していない現状について危機的な状況であると述べた。学習用コンピューターの整備目標は、3クラスに1クラス分程度であるが、全国平均5.6人/台にとどまっており、普通教室の無線LAN整備率は100%の目標に対して、34.5%のみである。また、都道府県間の格差が顕著であることも課題としている。地方自治体のICT活用の有効性、必要性に対する認識の差や、教育委員会の専門性ノウハウ不足によって1805億円の地方財政措置も活かされていないという。
対策のひとつとしてICT活用教育アドバイザーの派遣に取り組んでおり、そのノウハウを「地方自治体のための学校のICT環境整備 推進の手引き」として文部科学省のホームページで公開している。「地域サミット」参加者には、印刷物を配布し利用を呼びかけていた。
全国ICT教育首長協議会会長である横尾 俊彦 多久市長からは、多久市の先行実例について発表があった。人口規模が全国で771位という多久市は、かつては、全国学力・学習状況調査において生徒の自己肯定感や正答率が全国平均を下回り、教員の1/4が月間超過勤務80時間超えという状況にあったが、校務系、学習系のフルクラウド化による改革が成果をあげているという。
常に先端の教育ICT環境を利用できるようになり、協働学習の拡充といった児童の学び方改革、業務の効率化やテレワークなど教諭の働き方改革も実現している。21世紀型スキルのためのICT教育とは、地域や世の中にある問題を知り、本質を見極めて解決できる力、さらには新しいことを創り出す力のある人材を育成することだという。
ICT環境整備の障壁を突破するには、官民の連携と、首長自らが実行を宣言する、リーダーシップを発揮することが大切だと、横尾市長は熱く語った。
教育クラウドを活用した「体験授業」では、総合の授業を想定し暮らしの中にあるマークの調べ学習が行われた。講師の説明に従って参加者はSurface GOを操作し、まずは教員の立場でパワーポイントの記録機能を使用した動画教材作成に取り組んだ。この動画教材は、子どもがひとりで自宅学習をし、授業では疑問点の解決や協働作業を行う反転学習用のもの。参加者も少ないステップでスムーズに動画を完成できている様子であった。
続いて児童・生徒役になり、クラウドのコラボレーションツールを使用した授業参加、スマートフォンでのCBT体験も行われた。遠隔授業の例としてスカイプを用いた国際交流の事例も紹介された。
参加した教員は、「開かれた学びのために保護者には紙のアンケートを配布しているが、集計作業に時間を要している。コラボレーションツールを使うことで大幅に省力化できると感じました。学習面では子どもの振り返り学習にも活用できそうです」とICT導入に期待を寄せていた。
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