2021年2月26日
日本の子どもの約3割は「なりたい職業がない・決まっていない」 =スプリックス基礎学力研究所調べ=
スプリックス基礎学力研究所は25日、世界11カ国の子ども・保護者合計2万2000人を対象に実施した「子どもの勉強の捉え方や習い事、なりたい職業に関する調査」の結果をまとめ発表した。

同研究所では、グローバルにおける日本の教育実態を把握するため、世界11カ国の子ども・保護者を対象に、学習に関する「意識調査」と、基礎学力を測る「学力調査」を実施。
各国1000人ずつ、合計2万2000人の子ども・保護者へのリサーチ結果から得られたデータを全4回にわたり公表しているが、今回は調査の番外編として、「子どもの勉強の捉え方や習い事、なりたい職業」について発表した。
それによると、日本の子どものなりたい職業では、「スポーツ選手」が最も多く、「医者・看護師」、「YouTuber」「ゲームクリエイター」と続いた。
「YouTuber」は、日本以外にもタイ、マレーシア、ポーランド、アメリカでも上位にあがっており、動画配信サービスの活性化で世界的にも人気が高い次世代の職業といえる。
また、BATHやユニコーン企業で注目される中国、インドでは「技術者・エンジニア」などのテクノロジーを担っていく職業が注目されており、一方GAFAなどの企業の印象の強いアメリカでは「コンピュータープログラマー」が上位に食い込んでいる。
どちらの職業においても、日本はなりたい職業ベスト5に入っておらず、職業への憧れに対する差がある。
一方で、日本の子どもは「なりたい職業がない・決まっていない」と答える傾向にあり、11カ国中で最も高くなっている。11カ国全体が1割未満であるのに対し、日本では約3割が「ない」と答えている。
また、子どもに学校の勉強がおもしろいと思うかを調査したところ、「おもしろい」と感じている日本の子どもは約6割にとどまり、11カ国中最下位。
10位のポーランドも約7割が勉強を「おもしろい」と感じており、日本の子どもが世界と比べてみても圧倒的に低いことが分かる。
また、日本の子どもがテストを好きではない理由として、「結果が悪いから」「テストがおもしろくないから」が多くあがり、11カ国平均よりも上回まった。
特に、「結果が悪いから」は11カ国中最も多く、学力テスト結果が11カ国中4位である一方で、自己肯定感の低さからテストを好きでないと思っていることが伺える。
子どもに得意だと思う教科を聞いたところ、日本の子どもは体育以外のすべての科目で、11カ国全体よりも低くかった。特に、主要科目である国語、外国語、理科、社会の差が大きくなっている。
さらに、得意科目が「1つもない」と答えた日本の子どもが11カ国全体の平均の約3倍になり、11カ国中で最も高い割合となっている。
学校の授業以外の勉強時間を比較すると、日本の子どもは11カ国中最も少ないことが分かった。学力調査上位のインドや中国が2時間以上なのと比べると、日本は約1時間しかなく、学外での学習時間が短く、学校での学びに頼っている現状が伺える。
この調査は、日本・アメリカ・中国・インド・イギリス・フランス・ポーランド・タイ・インドネシア・マレーシア・ミャンマーの11カ国の6歳~15歳の子ども(各国1000人・11カ国1万1000人)と、その保護者(各国1000人・11カ国1万1000人)を対象に、2020年8月~9月にかけて、インターネットで実施した。
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スプリックス基礎学力研究所
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