2021年4月1日
Classi 教育におけるICT活用を考える会 ~GIGAスクール/1人1台端末導入を見据え ICTの効果的な活用を考える~を開催
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ICTと共に新しい学びの環境づくりに取り組む学校事例をわかりやすく紹介
2月19日、Classiは、今年3年目となるセミナー「教育におけるICT活用を考える会」を開催した。これからICT端末の整備・拡充を検討されている学校関係者に向けて、Classiからの情報発信のほか、1人1台端末を活用した教育活動を実践し成果をあげられている学校事例の発表をおこなった。オンライン形式中心での開催ながら、全国から600名を超える申し込みがあり、多くの参加者が集まった。
第1部:教育を取り巻く環境変化・ICT化の流れ
はじめに、Classi株式会社マーケティング部部長 寺尾岳大氏が、コロナ禍の影響を含め、GIGAスクール構想と新学習指導要領による大きな環境変化についての概要、および重視するポイントについて報告をおこなった。概要としては、公立小中学校では、約95%の自治体で端末が今年度内に納品され、4月から1人1台環境が本格化していくこと。また公立高等学校では、1人1台端末の国費での補助は限定的だが都道府県単位の整備事業が進み、2019年度には1都道府県だった環境が、2022年度には20都道府県以上となる見込みであるとの報告があった。(図1)
ここで注目すべきは、「GIGAスクール構想は何を目的にしているのか」という視点である。Classiでは、「端末を整備すること」が目的ではなく、学びの手段としての環境を整備することで、生徒の学びを変容させ、資質・能力を育んでいくことが目的となると考える。この目的達成のための学校の取り組みとして、以下の2つの点を挙げている。(図2)
① 各学校が地域や学校の実態・特色をもとに、学校グランドデザインを策定すること
② 学校が目指す教育活動を実践するためのツールとして、GIGAスクール構想で整備が進むICT環境を活用し位置づけていくこと
第2部:基調講演・実践事例発表
第2部は、Classiが重視する2つのポイントをもとに、二人の先生から、それぞれの立場からみた「ICTの効果的な活用」についての講演がおこなわれた。
最初にご登壇された三浦隆志先生は、岡山県立の2つの学校で校長を歴任され、在任中は資質・能力の育成を目指す授業改善やICTの利活用を推進されてきた方だ。
「一人1台を実現した公立高等学校での実践」と題した内容には、「校内での組織化のポイント」という管理職の観点が含まれ、先生方が直面する課題に参考となる点が多くあったように思う。
「林野高校では今、プロジェクターやスクリーンなどを完備し、1人1端末で探究学習をおこなっている。しかしそれは一気にできたわけではなく、少しずつ環境整備をしていった。最初はメールを送る・検索をするというレベルから、次第に自分たちのスキルを広げていったのです。(図3)
現在では、Chromebookの使用によって2つの教室(ハイブリッド型授業)を手に入れたと考えています。従来の教室は、リアルに「対話・協力・深化などの対面でしかできない内容」に、クラウドの教室は「準備・手順や振り返り・演習」に利用する、という使い分けのイメージです。(図4)」と、ICT活用の広がりについてお話をされた。
「ICTをいきなり授業で使うのではなく、普段使いからまず取り入れましょう!」という三浦先生の声に、参加した先生からは「ICT活用のハードルを下げてもらえるような言葉がけをいただきました。肩の荷が少し軽くなったように思います。」と感想が届いたそうだ。
また三浦先生は、管理職の先生方に向けて学校組織について、「ICTを入れるのに、機構改革もおこないました。先生たちの負担も少なく、働きやすいような組織づくりも大切。ICT担当組織を設置して、学校の在りようによって管理方法を検討し、ICTが広がっていくのだと思います。」とお話された。
「これまでの教育実践の蓄積があって、そこにICTが加わることによって、子供たちの学びの充実が図られていった、ということがポイントです。」と言われ、「ICTありきではなく、ICTは“授業改善のためのひとつのツール”としてあるべき。ICT活用含めてどう学びの質を上げていくかという視点が大切です。」と強調された。また、「生徒が主体的に、自由にICTを使えるようになると、生徒からもアイディアが生まれ指数関数的に活用の仕方が増えていく、それを私たちは期待するのです。」(図5・図6)と述べられ、ここに新しい学びのヒントがあるように感じた。
続いてご登壇された、大林一真先生が着任されている群馬県立桐生高等学校は、県内有数の進学校。
2020年度より、生徒1人1台端末が配備され活用を始めたばかりという状況から、「ICTツール活用の実践と、生徒1人1台端末配備に向けた今後の見通し」と題し、現場の生の声を聴かせていただいた。
大林先生の講演は、「ICTありきの教育活動がよいことなのかどうか、これからしっかり疑って活用していくべきと思っています。」という、少し緊張感のある言葉から始まった。
「ICTを活用していくことは必須事項なのか?というテーマに対して、ICTがベースの教育活動をすると、本来やりたい教育活動の目的を見失ってしまう。だから、今までやってきたことの延長線として、教育理念をベースに教育活動を考えるべきです。全てがICT化することがよいのではなくて、ICT化すればこういうこともできる、と認識しながら使うことが大切です。ツールとして活用していくためには、そのツールの危険性をしっかり理解して使うことが重要です。」と念をおされた。
群馬県は生徒1人1台端末が貸与されており、桐生高校のICT活用は、G Suite for Education、スタディプリ、Office 365、そしてClassiと、複数のサービスの「いいとこどり」をしているそうだ。
「探究の課題の共同編集などはGoogleを使用、授業やホームルームにおいては、zoomなどのICTツールを組み合わせて活用し、進路面(学びの蓄積)指導での活用は、Classiが中心です。例えば、学習記録を学びの振り返りに利用するだけではなく、日常の中で気づいたこと・心配なこと・相談したいことも記入するようにしました。すると、面白いコメントを書く生徒や、生徒の不安などを発見することができました。また、賞を設けて表彰などもして、生徒のコンピテンシーの向上が見られたのはうれしかった。」と報告された。
他にもいろいろな機能について紹介され、最後に、今後の展望・今後に向けて、次のように話された。
「できることからやっていこう、がモットー。これからは職員のICT対応力の向上は必須であると思います。これまでの授業のフィジカルな部分とICTのデジタルの部分がうまく融合して、生徒の一番よい成長につながるとよいと思います。」と、まとめられた。
二人の講演を聴いた参加者からは、「ICTを活用されている先生方の“ICTありきではなく、生徒の学びの質を高める授業改善が重要である”という言葉をお聞きして、生徒や教師にとって何が大切かという本質を見つめることが大事だと思った」との声が寄せられ、満足度の高い内容だったようだ。
第3部:1人1台端末で実現するClassiを活用した学習・進路指導について
現在、学校によっては、例えば、学習活動の充実にはGoogleを、面談や進路指導など情報の整理共有にはClassiを活用するなど、使用シーンごとに適したICTツールを使い分けて大きな成果を出している学校が増えてきているそうだ。そうした背景の中で、Classiがどのような場面で特長を発揮して利用できるのかを、「授業」「授業外学習」「探究」の3つの観点でまとめ(図11)ながら、事例と最新サービスを紹介し、会を締めくくった。
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