2021年8月5日
電通サイエンスジャム、「都市部での自然体験が幼児に与える心理効果」を検証
電通サイエンスジャムは、ベジリンク社とともに「都市部における子供の自然体験(公園遊び、農作業)が子ども(幼児)のメンタルヘルスや発育に与える影響」について調査を行い、その結果を4日に発表した。
同調査は、「Momo統合医療研究所」医師・医学博士の木村理砂氏と、慶應義塾大学理工学部・満倉靖恵教授の監修の下で実施。その結果、都市部でも農作業や公園遊びなど自然体験をすることで幼児の高揚感を高め、ストレスの軽減に寄与する可能性が示唆された。
同調査では、幼児が畑で農作業を行った時と、公園遊びを行った時の感情変化を脳波計測による感性把握技術を使って感性を計測。また、好きな野菜の描画を通して、日常的に農作業を行っている群とそうではない群の野菜に対するイメージの違いについて調べた。
それによると、「公園遊び」についての調査では、公園体験中から体験後まで、幼児のワクワク度の持続やストレス度の低減が見られ、幼児のストレス解消への影響などが及ぼされている可能性があることが分かった。
身体を動かすことによるストレス解消や何で遊ぶか考え行動することで、集中しワクワクする気持ちが高まっていた。また幼児のコミュニケーション力向上にも自然体験が一定の効果があると考えられる。
また、「農作業」についての調査では、農作業体験中のワクワク度の向上度合いは大きく、集中度、好き度、興味度、ストレス度にも動きがみられ、より感性が動き情動に影響する可能性があることが分かった。
幼児たちは、農作業体験中はワクワクしながら土から掘り起こす作業に熱中。更に、幼児同士で収穫の速さや大きさを競い合う事で、達成感を感じている様子が見られた。
今回の調査によって、自然体験(農作業、公園遊び)は、子どものやる気を引き出しつつストレスを低減させる可能性が示された。
前出・木村氏は、「好きな野菜の描画で、日常的に農作業を行っている幼児は、野菜を畑で収穫する状態のイメージを持っており、土、葉や芋のつる、人などを描く傾向がみられた。一方で、日常的に農作業を行っていない幼児は、野菜を単体で、小売店で購入する状態で描く傾向がみられた。野菜を育て収穫する過程の経験値が食育の観点で野菜に対する興味・関心を高めることが考えられる」と分析している。
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