2021年8月23日
大阪教育大学、授業内でAIを活用したグルーピングを試行
大阪教育大学は19日、理数情報専攻自然科学コースの授業「サイエンスと現代生活」のグループワークで、人工知能(AI)を用いた意見共有システムによる班分けを試みたことを明らかにした。
同大学の「データを活用した教育の質改善プロジェクト」(代表:鈴木剛、教育イノベーションデザインセンター長)が提案、産業技術総合研究所・人工知能技術コンソーシアム(AITeC)のサポートのもと、同研究所の川本達郎研究員が開発したシステム「Aska」を用いて行った。
Askaは大規模な自由記述回答の集計に対応できるように機械学習処理により回答意見を集約・統計解析するアンケートシステムで、本来は世論調査などの分析に用いられるが、今回は教育現場での利用を検証するために、グループワークの班分けに応用した。
最近の科学記事を原著論文と読み込み比較して議論する同授業では、前期15回分を前半と後半に分け、それぞれ別々のテーマでグループワークを行う。6月中旬に実施した後半のグループワークの班分け時に「前半のグループワークを行ってみての反省点・感想・希望」などをAska上で受講生に聞き、班内での議論・スライド作成・発表がより積極的に行えるように、自由記述の回答同士をAIを用いて結びつけることで、同じような意見を持つ学生同士をグルーピングできないか、という試行を行った。
受講生からは「AIを使うことでバランスよくグループ分けできると感じた」「教員が分けてしまうとどうしても主観が入ってしまったりするのでAIを使うのはとても良いと思った」「教育現場においてAIを補助的に用いることは学習の効率化・学習効果の増大も期待できると感じた」などの感想。鈴木教授からは、「グループワークにAIを効果的に取り込めることが分かったので、今後は色々な場面で積極的に活用してみたい」との感想。
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