2021年11月19日
芝浦工業大学、脱炭素化施策を考える探究授業をデザイン 高校生がCNSでシミュレーション
芝浦工業大学は17日、同大学建築学部建築学科栗島英明教授と工学部土木工学科谷田川ルミ教授が、九里学園高等学校でカーボンニュートラルシミュレーター(CNS)を使用した地域脱炭素に向けた探究授業を実施したと発表した。
CNSは、基礎自治体別に2050年の脱炭素化を実現するための様々な対策についてシミュレーションするシステム。同大学では、今年度中に、基礎自治体が地域脱炭素戦略策定にCNSを活用する導入マニュアルを作成するとともに、学校教育における活用を目指した、教育プログラム(指導案・教材・評価方法)とそのマニュアルを作成し公開する予定している。
同高等学校で試行した授業には、プログレスコース1~3年生の生徒46人が参加。気候変動が山形県の置賜地域に与える影響について調べ、学習を進めた。そして、2050年に脱炭素を実現するための政策・技術・システムについて学んだうえで、1人1台のタブレットにインストールしたCNSを使用したバックキャスティングでの置賜地域の脱炭素に向けた検討を行った。CNSを通じて学んだ成果の一部は、6日に開催された「サイエンスアゴラ」でも発表されている。
授業で使用したCNSは、千葉大学を中心に同学と東京大学が基礎自治体での脱炭素政策を検討するために共同で開発したツール。自治体別に2050年の人口、世帯数、就業者人口などの予測をもとに、2050年に稼働する住宅、非住宅、自動車台数などを算出し、省エネ投資をどの規模で行うのかを検討することができる。同大学では、同高等学校をはじめとして、鹿児島県立種子島高等学校や鹿児島県西之表市立種子島中学校、千葉県白井市立白井中学校などでの試行を通じて、CNSを活用した中学・高等学校の「総合的な時間/探究の時間」用の教育プログラムの開発を進めている。今後、その成果をまとめ、CNSを活用した教育プログラム(指導案・教材・評価方法など)とそのマニュアルを公表する予定。
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