2021年12月29日
「すらら」をフル活用、ICTと教員の協働で生徒の自学力を高める指導/野田学園中高・野田学園高
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山口県山口市。1877年創立の歴史を誇り、野田学園中学・高等学校(6年制一貫教育)と野田学園高等学校(3年制普通科)を有する野田学園。2020年4月から中学校と高校で本格導入した「すらら」(すららネット提供)の活用法や利便性について、中学数学と高校英語を担当する先生方に話を伺った。
コロナで加速した「すらら」活用、AIの個別最適化がマッチ
野田学園の6年制には医進コース、探究コースの2コースがあり、高校の3年制普通科には進学コースをはじめとする4コースがある。中学生はiPad、高校生はChromebookを1人1台所有。「すらら」は2020年4月から正式導入した。それ以前は中学生がデモ版を利用していたが、その折、学校が新型コロナウィルス感染症の影響で一斉休校になり、そのまま家庭で「すらら」を続行した。自宅でも生徒の学びを止めることなく、レクチャー機能や小テスト機能がマッチした。4月からの登校再開後、学校の中でも「すらら」を広げていく流れになったという。それまでもICT活用は進めていたが、コロナにより「使ってみると便利だ」と一気に加速し、教員のスキルも上がってきた。一方で、特に中学校における入学時の生徒の学力が一定ではないため「基礎学力の向上」が課題だった。学習が苦手な生徒の学ぶ力を培うためICTを積極的に活用する中で、AIで個別最適化を図ることができる「すらら」がその目的にちょうど合致したという。
復習で重点的に活用、わかったつもりをなくしていく
中学校では探究コースの生徒に「すらら」を導入している。中学1・2年生は毎週月曜日の7限目、課外授業として数学と英語をメインに「すらら」を活用。3年生からは高校の内容が入ってくるため、1・2年生は基礎の完成期と見て「すらら」で基礎学力の定着を図っていると岡藤宏治教諭(教務課長・中学数学)は説明する。45分間の授業で、数学と英語の小テストをそれぞれ20分程度実施。2年生の数学に関しては、現在、一週間で習った内容を週末課題として「すらら」から出題、週明けに10分程度の週テストを実施。主に復習で繰り返し活用しているという。
「予習で『すらら』を使うことを今はしていません。授業でコミュニケーションを取りながら学んだ内容を『すらら』のドリルや小テストで定着させる。授業でわかったつもりが実は理解できていなかった、そうしたらレクチャー機能でもう1回聞き直せるよといった活用が今はいいと感じています。『すらら』は教科書に対応していて単元を選ぶことで自動的に作問・出題できます。どんな問題かを見て、簡単であれば難易度を上げたり、難しければ易しくしたりしています」(岡藤教諭)。生徒は集中して淡々と取り組んでいるという。教員は管理画面から生徒の進捗を見ることができるため、解答が止まっていたり、違うことをやっていたりしたら声掛けをしてサポートしているという。
ICT×教員で生徒を見守り学力を高める
当初、全教員が「すらら」の操作を覚えることは一つの難関だったと話す岡藤教諭。しかし、使えるようになってからは利便性を柔軟に有効活用できているようだ。同校では、クラスの担任教諭、教科担当者、教室で立ち会って指導する教員の3方向から1人の生徒を見る体制ができている。「月曜日の7限目、私は教科の課題配信はしますが実際には授業に行きません。教室で生徒の様子を見て指導する教員が別にいます。『すらら』があるとそれができるんです。普段の学習や家庭学習に関する視点は担任、教科の視点は教科担当者、そして授業中の様子を見る教員、この分担がとても良くて、複数人で生徒を多面的に捉えることができます」。生徒にとってどの教科のどの単元が弱点なのかなど、どの教員であっても「すらら」を介して把握することができる。
他方、新たな悩みも浮上してきた。「学習を始めさせるとか、途中でだらけさせないとか、最後までやり遂げさせるのにはやはり教員の声掛けがないといけません。適切にどう声を掛けていくか。集中力が落ちることもありますし、どこまで身についているか、データだけでは見えない人間的なもの、そこは人ではないとチェックできません」。それが今の教員の役割だろうと岡藤教諭は説く。
毎日ログインする生徒が続出、達成感とやる気を引き出す「すらら」
高校では進学コースの1年生に「すらら」を導入している。河田一哉教諭(高校英語)は、管理画面から窺える生徒のログイン回数に注目する。
「月単位で全生徒のログイン回数がさっと見えて一目瞭然、これが『すらら』で一番気に入っています。『すらら英語』も『すらら数学』もそれぞれの授業は週1回のため、月8回ですが、驚いたことに30回も40回もログインしている生徒もいます。つまり授業日以外も毎日ログインしている。コロナ禍でも普段と同じ時間帯でリモート授業を行えました。」
進学コースには部活動に参加する生徒も多数いて、試合のため授業に参加できないこともある。そのような状況で、「すらら」が威力を発揮している。試合を終えた夜や休日に学習を行う生徒もいて感心するという河田教諭。欠席の生徒にはメッセージ機能でアナウンスを送れば、次にログインした時に見てもらえる。「すらら」は生徒とのコミュニケーションにも大いに役立っているようだ。
ドリル機能や小テスト機能も有効に活用しているという。たとえば、関係詞でつまずいている生徒には、高校の教科書学習の中で、中学校の学習内容を織り交ぜたドリルや小テストを課題として与えるといった具合だ。その結果、生徒は理解が深まることで達成感を覚え、学習意欲の向上に繋がっている。自分で学習課題を発見して先に進む。それが最高だと表情を和らげる河田教諭。学習機会が圧倒的に増えて、自学できるようになってきたと話す。
生徒の立場からも検証し編み出した課題出題
課題の出し方は月単位で行うのが良策だと感じているという。1年かけてそういう思いに至った。たとえば、11月分を出題したらその提出期限は月の終わりとして生徒自身に月単位で学習を確認させる方法だという。「『すらら』の良さは、生徒と教員の両方の立場からログインできるところ。私はこの2つのアクセスを利用して、自分に向かって課題を出しては自分がやってみることを半年間繰り返しました。その結果、生徒の立場から見る『すらら』を認識することができました。」(河田教諭)。
「課題を早く終えた生徒は、すららの『英検コース』を選んで学んでいます」。生徒たちが「すらら」で45分間集中して取り組む姿には感動するという河田教諭。英検挑戦者も合格者も年々増加している。
「クラスでは生徒同士がお互いに『すらら』学習に集中して取り組む姿を見ています。それを学校でずっと続けていれば、家庭学習の時にも、みんなも家でやっているんだなという意識を持てるわけです」。基本的に勉強は「自分1人」のものだが、一緒に勉強しているという体験や「仲間の存在」そのものが励みや希望にもつながっているという。
教員は生徒の学力を引き出すファシリテーターに
岡藤教諭は、「すらら」を学習の方法を学べるツールとして使っていきたいという。「教員に求められるものは、ツールと人間との学びの懸け橋になるファシリテーターの力。仲間との議論や創造は、やはり人同士のコミュニケーションが必要です。ただし、基礎学力があってこそ。そこを『すらら』で高めていき、新しいものを生み出す力をつけさせてあげたいと考えています」。
河田教諭も、授業の全てを「すらら」に頼るのではなく、「すらら」の特性を活用することが必須だと明言する。「教員が何もかもすることを志向するのではなく、たとえば英語であれば文法のドリル学習に『すらら』を利用するといいと思います。学習習慣の定着や基礎学力の向上にこそ『すらら』を活用する価値があると思っています」。
ICT教材と教員、それぞれの得意を持ち寄る指導に、「すらら」は信頼の高いツールとしてその役割をしっかり担っているようだ。
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