2022年5月27日
いじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」、2021年度に投稿件数が最も多かったのは「学校や教員への苦情・不満」
アディッシュは26日、子どものいじめや悩み事を学校に連絡できる、同社のいじめ匿名連絡サイト「スクールサイン」の2021年度(2021年4月~2022年3月)の投稿を集計・分析し、その結果を発表した。
それによると、2021年度に「スクールサイン」に寄せられた声で最も多かった内容は「学校や教員への苦情・不満」24.5%で、以下、「いじめ」18.3%、「生活態度」17.7%と続いた。これら3項目は、いずれも前年度に比べ投稿の割合が増加している。
最も多くの投稿割合を占めた「学校や教員への苦情・不満」は、前年度(18.2%)から6.3%増加しており、その内容は新型コロナに対する学校の対応への不安・不満のほか、児童生徒の指導に関する意見などが散見された。
「いじめ」に関する投稿は、前年度(10.8%)に比べ7.5%増加しており、2021年度の集計で最も高い増加率。児童生徒がいじめの解決支援を学校に求めている様子が伺える。次に寄せられた割合が多かった「生活態度」については、前年度(13.1%)に比べ4.6%増加。
「いじめ」と「生活態度」の増加に共通している要因として、分散登校や在宅授業が全国的に実施されていた2020年度に比べ、2021年度は通常の登下校や対面授業が再開していることが挙げられる。
2021年度は、児童生徒の登下校や対面授業が再開され、2019年度以前の日常に戻りつつあったこともあり、対面でのコミュニケーション増加に伴う「いじめ」と登下校時の公共交通機関利用のマナーに関する「生活態度」が、2020年度に比べて増加した結果となった。
「いじめ」における被害者本人による投稿割合は、前年度の17.7%から7.9%増加して25.6%。自身がいじめの被害にあっていることにSOSを出している割合が増えた。
「いじめを含む投稿全体」でも、被害者本人からの割合が、前年度の21.5%から10%増え31.5%だった。
また、「いじめ」に関する投稿割合の増加に伴い、「被害者名あり・加害者名あり」の投稿が14.3%と前年度(12.8%)よりも1.5%増加した。
一方、「被害者名あり・加害者名なし」は、前年(41.1%)より15.5%減少し25.6%。「被害者名なし・加害者名あり」は、前年(23.8%)より8.2%増加し32.0%だった。
曜日別の投稿をみると、平日終盤の木曜日(18.3%)と金曜日(18.4%)の合計で36.7%を占めた。その週にあったことを週の終わりにまとめて投稿するケースが多く見受けられる。
時間帯別の投稿では、深夜帯(2時台~5時台)の投稿が1.5%と前年度(4.9%)より3.4%減少。朝の登校時間帯(6時台~8時台)が8.7%と前年度(2.8%)から5.9%増加したことや、放課後の下校時間帯(15時台~17時台)が19%と前年度(12.5%)より6.5%増加したことから、対面授業の再開で生活リズムが正常化していることが考えられる。
この調査は、2021年度に「スクールサイン」を契約していた全国の公立私立小・中・高校に所属する児童生徒を対象に、2021年4月~2022年3月にかけて実施。調査投稿数は1705件で、専門調査員が投稿を分類した。
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