2024年2月16日
高校生が考える将来必要とされる能力は「主体性」と「実行力」 =リクルート調べ=
リクルートは15日、全国高校PTA連合会とともに、高校2年生とその保護者計3209人を対象に実施した、「高校生と保護者の進路に関する意識調査2023」の結果をまとめ発表した。
この調査は、高校生の保護者とその子どものコミュニケーションの実態と進路観の現状を把握するために、リクルート進学総研と同連合会が2003年から隔年で実施しているもので、今回で11回目。
調査結果によると、「進路についての会話」に関しては、高校生では83.0%、保護者では89.4%が互いに対して「話す」と回答。
会話の内容は、「高校卒業後の具体的な進路について」64.4%が最多。以下、「将来どんな職業に就きたいか」「将来の自分の夢」などが50%以上で続き、直近の進路に加え、就職や将来など長期的な展望について会話していることが分かった。
また、高校生が考える「将来必要とされる能力」は、「主体性」51.5%がトップである一方、「主体性を現在持っている」と考える高校生は25.2%で、ギャップが大きかった。同様に、「将来必要とされると思う能力」第2位の「実行力」37.2%についても、「現在持っている」と考える高校生は12.0%だった。
高校生に、進路選択に関する保護者の態度を尋ねたところ、「私の考えを尊重する」「あたたかく見守っている」「相談にのってくれる」が70%程度で上位。保護者が掛ける言葉も「自分の好きなことをしなさい、やりたいことをやりなさい」65.9%が突出して多く、高校生の自主性を重んじる傾向が強かった。
将来の職業に対して「AIなどの技術革新の普及・発達が与える影響」については、高校生の61.2%、保護者の53.2%が「期待している」と回答。
期待する理由は、「技術革新で人間のできることの可能性が広がること」「効率アップによる生産性向上が望めること」などだった。高校生に比べて期待する割合が低い保護者からは、技術革新による「進化」に、自分の子どもが適応できるかどうかを不安に思う意見も寄せられた。
また、「高校の教育改革への取り組みが行われている実感がある」高校生は38.9%で、具体的な取り組み内容のトップは「生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に取り組む探究学習が重視される」61.5%だった。
ICT教育については、高校生の84.2%が「高校が組織的な活用をしている」と回答。活用の利点は、「探究活動など、自身の興味がある学びを深めることができた」「共同作業やディスカッションがしやすくなった」が大幅に上昇。高校におけるICTの活用の広がりが、「探究学習」を支えている様子が見てとれる。
この調査は、高校2年⽣とその保護者、全国高校PTA連合会が依頼した9都道府県、各3校ずつ計27校の公立高校を対象に、2023年9月15日~10月13日にかけて、学校を通した質問紙による自記式調査、またはWEB画面からの回答という形で実施した。有効回答数は高校生1752人、保護者1457人の合計3209人。
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