2026年3月24日
組織行動科学、AI時代に「判断できる人材」が育つ企業の共通条件を整理した調査レポート公開
リクエストは19日、33.8万人・980社の分析知見をもとに、AI時代に「判断できる人材」が育つ企業の共通条件を整理した調査レポートを公開した。
生成AIの普及、業務標準化、マニュアル化、IT化、働き方改革の進展により、多くの企業では知識や手順で進められる仕事が増えている。一方で、現場では顧客条件や案件条件が異なるため、前例をそのまま適用できず、優先順位、リスク、価値を見極めて対応しなければならない仕事も増えている。既存のリリースでも、AI時代に企業に残る仕事は「判断」であり、企業の82%でその判断経験が減少していることが示されている。
しかし実際の現場では、同じように人材育成に取り組んでいても、「部下が自分で判断できるようになる企業」「いつまでも上司確認が減らない企業」に分かれる。この差は、単に社員の能力差や管理職の熱意の差では説明しきれない。既存の分析では、管理職向け講座の問題意識として「部下がすぐ相談してくる」「任せた仕事が途中で止まる」「担当者によって対応品質が変わる」といった状態が挙げられ、その原因は部下個人の能力ではなく、仕事の設計にあると整理している。
今回、リクエストでは、これまで公表してきた「判断経験の減少」「前例依存の増加」「上司確認の増加」「熟練者依存の発生」といった現象を、より上位の視点から再整理した。その結果、「判断できる人材」が育つ企業には共通して、「組織の判断構造」が設計されているという特徴が見えてきた。
| 判断できる人材が育ちにくい企業 | 判断できる人材が育つ企業 | |
| 構造 | – 判断対象が曖昧 – 判断条件が曖昧 – 任せる範囲が曖昧 – 振り返りがない |
– 判断対象が整理されている – 判断条件が整理されている – 任せる範囲が明確 – 振り返りが設計されている |
| 現場 | – 上司・熟練者に判断が集中 – 部下がすぐ相談する – 任せた仕事が途中で止まる – 担当者ごとに対応が変わる |
– 判断が段階的に委任される – 部下が自分で考えて動く – 実務の中で判断経験が発生する – 判断基準が共有される |
| 結果 | 判断経験が蓄積しない → 「判断できる人材」が育たない |
判断経験が蓄積する → 「判断できる人材」が育つ |
人材育成の差は、個人能力の差ではなく、判断が発生し、任され、振り返られる仕事構造が設計されているかどうかで生まれる。
| 要素 | 内容 | 具体例 |
| 判断対象 | 何について判断するのか | 優先順位、対応方針、提案内容、リスク対応 |
| 判断条件 | どのような状況で判断するか | 顧客条件、案件条件、制約条件、例外条件 |
| 判断基準 | 何を基準に判断するのか | 優先順位、価値基準、採否基準、許容リスク |
| 判断分担 | 誰がどこまで判断するのか | 担当者判断、上司判断、エスカレーション条件 |
| 経験設計 | どの判断経験を、
どう積ませるのか |
段階的委任、実務課題、共働機会、難度調整 |
| 振返り
設計 |
判断をどう検証し、
精度を高めるのか |
事後確認、レビュー、言語化、構造化、再現化 |
ここでいう「組織の判断構造」とは、単なるルールやマニュアルではなく、どの仕事で判断が必要なのか、何を基準に判断するのか、どこまでを誰に任せるのか、どの経験を積ませるのか、どのように振り返り、精度を高めるのかが整理されている状態を指す。
多くの企業では、判断が必要な仕事であっても、手順や知識として教えようとする構造が残っている。しかし判断とは、状況ごとに何を優先し、どのリスクを取り、どの価値を重視するかを決める行為であり、唯一の正解がある知識とは異なる。そのため、判断は知識教育だけでは身につきにくく、経験 → 振り返り → 修正 → 判断精度向上のプロセスを通じて形成される。
それにもかかわらず、「判断対象が整理されていない」「判断条件が曖昧」「任せる範囲が不明確」「振り返りが行われない」という状態では、判断は上司や熟練者に集中する。すると、若手や部下は「相談すること」に慣れ、判断経験が蓄積されず、結果として「判断できる人材」が育たない状態が固定化される。
分析から見えてきたのは、「判断できる人材」が育つ企業では、判断が属人的なセンスや偶然の経験に任されていないという点。そうした企業では、判断を個人の才能の問題として扱うのではなく、仕事の中で育つように設計する対象として扱っている。具体的には、判断が必要な仕事を切り出し、段階的に任せ、振り返りを通じて意味づけし、再現可能な形へと構造化している。判断できる人材を増やすには、先に判断が育つ組織の構造を設計する必要がある。
関連URL
最新ニュース
- 「学歴は関係ない」は本当?6割が大学進学を希望する理由 =「塾選」調べ=(2026年3月24日)
- 受験生の7割が高校の小論文指導は「不十分」に感じる = skippr調べ=(2026年3月24日)
- 「現役高校3年生のタイパ勉強法実態調査」7割以上がタイパを重視 =「武田塾」調べ=(2026年3月24日)
- 組織行動科学、AI時代に「判断できる人材」が育つ企業の共通条件を整理した調査レポート公開(2026年3月24日)
- びわこ成蹊スポーツ大学、文科省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」に認定(2026年3月24日)
- 清香会、保育業界に特化した対話型のAI研修システムを開発(2026年3月24日)
- 豊田高専、第17回NAPROCK国際プログラミングコンテストで世界一に(2026年3月24日)
- 「第15回科学の甲子園全国大会」で岡山県立岡山朝日高等学校が優勝(2026年3月24日)
- TAC、教員採用試験「今年聞かれる面接質問」24日オンライン開催(2026年3月24日)
- GLI、保護者向けセミナー「『教育と受験の現代の本質』を読み解く」4月4日開催(2026年3月24日)












