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2020年10月12日

英語は学びの軸、「すらら」で全生徒の基礎学力底上げをはかる /西武台高等学校

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西武台高等学校は、埼玉県新座市にある男女共学の私立校。1980年代からオフコンを利用したCAI(コンピュータ支援教育)に取り組むなど先進的な挑戦を続けている。英語教育にも定評があり、特系コース全員と英検準2取得者の中の希望者を対象に、毎週ネイティブ講師を招き英会話講座も無償で提供する手厚さだ。2019年、全ての生徒の英語基礎学力を向上し底上げをはかるため「すらら」を導入。1、2年生768名全員が学んだ成果を振り返る。

西武台高等学校

ICT環境の活用で学習成果を維持して教員の負荷も下げる:『すらら』導入のきっかけ

西武台高等学校 山下伸雄 教頭

2016年、西武台高等学校は、全ての教室にWi-Fi環境とプロジェクターを備え、生徒1人1台のChromebook をBYOD(Bring Your Own Device)で導入した。これからの社会に必要なスキルを身に付ける「アクティブ・ラーニング」や「主体的・対話的で深い学び」「探究型学習」といった21世紀型の学びのための環境をいち早く整備してきたと山下教頭は語る。「現在では、教室だけでなく体育館や柔道場など校内のどこにいてもWi-Fiが使用できるので、放課後に「どの教室でも」「図書室・自習室」でも『すらら』の宿題ができます」と笑顔を見せる。

生徒だけでなく教員全員にもデジタルデバイスの活用を促している。成績処理、オフィスソフト、LMS(Learning Management System)など教員の負荷を下げることが目的だ。

英語の時間に『すらら』に取り組む西武台高等学校生徒の様子

『すらら』導入のきっかけは学習成果だが、教員の負荷も軽減できたという。西武台高等学校は毎日の朝学習で長年、英語の小テストプリントを実施してきた。このテストは大きな学習成果が上がる一方で、テスト作成、採点、フォローアップと担当教員の負荷が非常に高い点が課題であった。山下教頭は、高い学習成果を維持したまま、整備したICT環境を活用し課題を解決できないかと思案していた。そんな時に『すらら』と出会う。『すらら』では、採点の自動化はもちろんのこと、回答状況に応じて個別最適化された復習目標を、簡単に生徒ごとに配信することができる。その為、教員は声かけに注力できるため負担が大幅に軽減される。

全生徒の英語基礎学習力向上をはかる『学力診断テスト』、課題達成率は100%

グローバル化する社会、大学での学びにおいて文系理系を問わず英語は、学びの軸と山下教頭。ネイティブ講師を招いての授業では英会話を磨き、文法や基礎は『すらら』で固めているのだという。高校1年生のうちに中学英語の学び直しを全員が完全に仕上げるという目標を掲げ、『すらら』の『学力診断テスト』を活用している。『学力診断テスト』は、中学の各学年の学習範囲が学期ごと、1年1学期・1年2学期・・・3年3学期というような9つのパックがセットになったコンテンツだ。生徒が『学力診断テスト』を受けると自動採点され、理解できていない単元の目標を生徒の定着に合わせて配信することができる。

学力診断テスト画像

コースによって配信内容を調整し、中学3年分全てを1年間で完全に習得することが最終的な目標だが、長すぎるゴールや膨大な量の課題ではモチベーションが保ちにくい。そこで2019年度は、5月、7月、9月、12月、1月の5回に分けて、英語の授業時間内で『学力診断テスト』を実施した。授業時間内に行うのはテストのみで、結果に合わせて配信される課題は全て宿題になる。生徒の理解状況に合わせて配信課題の量や内容は大きく変わる。既に中学レベルの英語を理解していれば課題が少ないので自らのレベルに合った学びに時間を有効活用できる。一方で英語が苦手な生徒には多くの課題が配信される。必要な生徒に必要な課題が出された結果、生徒らの家庭学習時間の増加も見られているという。

学習期日と達成率は、一次進捗、二次進捗、最終チェックというような段階ごとのマイルストーンとして設けフォローされる。『すらら』から出力される生徒の進捗表は、英語教諭だけでなく担任教諭らにも共有され、必要な声かけをしてきた。教諭らが協力して生徒の学びを後押し、2019年度の全生徒の課題達成率は100%に達したのだ。

民間試験に見る生徒の顕著な伸び、S,Aランクは3倍に

毎年、1年生は入学直前の3月と半年を経た9月に模擬試験「スタディサポート」を実施している。GTZ(学習到達ゾーン)は、S,A,B,C,Dの5段階評価で判定されるのだが、『すらら』導入前の2018年度は、3月と9月を比較して結果は概ね横這いであった。導入後の2019年度には3月と比較して9月の「S,Aランク」は3倍に伸び、C,Dランクは減少、ボリュームゾーンがCからBになるといった顕著な伸びが見られたという。

2019年度「スタディサポート」の結果、3月と9月の「S,Aランク」比較

「まだ導入初年度で『すらら』だけの成果と断言できないが、少なくとも、英語を苦手としていた生徒への効果は顕著で、基礎学力が確実に向上している」と慎重に山下教頭は振り返る。『すらら』へ期待していた「学力の底上げ」は実現できたと自信を見せる。底上げをすることで教諭らも教えやすくなって授業がもっと良いものになり、クラス全体にもその効果は波及するだろう。

「『すらら』は生徒のわからなかったところ、理解できていなかったところを明確にして教えてくれる、それが生徒にとっての最大のメリットだ」と山下教頭。教員も1対1など少ない人数ならもちろん可能だが、1人の教員がクラス全員に対し同じことをするには時間を要する

2020年度は、2年生の運用を本格化している最中だ。2年生は英語で学習している単元を配信していく計画だ。また、他教科への展開としては国語も候補の一つだという。全教科につながる読解力を高めることも西武台高等学校の大切なテーマだからだ。たとえ理系の大学に進んでも文献や教科書を理解する「読解力」は重要だと、物理学専攻の山下教頭はいう。

生徒も教員も新しいスキルを実装する、ツールを取り入れる気持ちを持ち続けねばならない

「ICT環境を新たに導入する時、全教員のコンセンサスを得てからなど無理な話だ。ある程度合意を得たら突っ走る必要も、時にはあるだろう。1年くらいは苦労もあるが、『すらら』のような手厚いサポートのあるものを活用しながら生徒のために進んでいくべきだ。日本のグローバル化は加速する、AIも台頭する中、生徒らには競争力をもってほしい。主体的に自ら学ぶ姿勢であってほしい。生徒も教員も新しいスキルやツールを取り入れる気持ちを持ち続けねばならない。」山下教頭は力強く語った。

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