2022年2月1日
100年の伝統校、Chromebook と始める学びの個別最適化/履正社高等学校
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GIGAスクール構想や新学習指導要領の動きと時を同じく、2022年に創立100周年を迎える履正社高等学校。大正、昭和、平成、令和と続く長い学園の歩みの中、現在、教育の大改革の真っただ中にある。2021年秋から生徒用端末にASUS Chromebook Detachable CM3を導入。端末の決め手や活用状況、ICT活用に向けたこの先の展望など、松本透校長や現場の先生方に話を伺った。
着手から駆け抜けるようにICT環境を整備
前身である大阪府福島商業学校から1世紀に及ぶ長い歴史を誇る履正社高等学校。松本透校長は建学精神を丁寧に語る。「履正不畏(りせいふい)、勤労愛好、報本反始。この全てが本校の教育活動の根源です。知識や技能の習得に加え、これからは主体的に学びに向かう姿勢が問われます。それをどう養うかが新しい学習指導要領の基本だと感じます。この主体的に学ぶ態度を、私たちは『学びを楽しめる生徒』と定義しました。生徒が力をどれだけ発揮できるか、そのために学びを楽しむ姿勢をしっかり培っていきたいと考えています」。
2022年4月から、新たに学藝コースと競技コースをスタートさせる同校。学藝コースは進学に向けた専攻ゼミと部活動を自由に選択でき、競技コースは全国レベルの競技実績と学業を両立するスタイルが特徴だ。
松本校長は同校のICT整備は後発だったと吐露するが、コロナ影響による休校をきっかけに整備を一気に推し進めた。2020年に全教室にWi-Fi環境を整備。2021年9月からは高校1年生に Chromebook 340台をBYADで1人1台導入。並行してプロジェクターとスクリーンも整備した。これらインフラ整備の着手に続いて、授業支援クラウド「ロイロノート・スクール」、講義動画や演習教材などの配信に「スタディサプリ」、教育プラットフォーム「Classi」など各種ソフトやサービスも整備。他校の事例などを参考にしながら導入はスピード感を持って取り組んだという。2022年度の新入生にも1人1台の Chromebook を導入していく計画だ。
Chromebook の採用で重視したこと
同校が生徒に導入した端末はASUS Chromebook Detachable CM3。着脱可能な付属キーボード付きで「ノートPC」や「タブレット」として、また付属するUSIスタイラスペンで「タッチ&ペンスタイル」にも対応している。
また端末の選定は、家庭への負担を軽減できるよう価格を重視したうえで、生徒の日々の学習や将来を見据えた機能性に着目した。教務部 部長の中本直樹 教諭は、「Chromebook は安価でありながら機能面がとても優れています。またスマートフォンのように指で画面をタッチ操作するだけではなく、大学や社会に出てからもタイピングスキルが必要となることも視野にいれ、キーボード付き Chromebook の選定が必須であると考えていました。ただし、タブレットとしての利活用も見出したかったため、私たちがこだわったのは着脱式でした。ASUS Chromebook Detachable CM3はタブレット単体として手軽に、キーボードを装着すればタイピングによる資料作成などにも使えます。これから始まる『探究学習』にも適していると思っています」と説明する。
もう1つ、「軽さ」も重視した。通学の徒歩距離が長い同校では、持ち運びの便利さも大切なポイントだった。同機種の重量はタブレット単体で506g、薄さは7.9mmと軽量小型で携帯性に優れているうえ、バッテリーは最大駆動時間で約12時間と1日中たっぷりと使用できる。
広報部 副部長の豊田靖氏はASUS独自のサポートメニューである「ASUSのあんしん保証」も評価する。「ASUSのあんしん保証」とは1年間のメーカー無償保証期間中に発生した物損故障に対して、有償修理となる費用の一部をメーカーであるASUSが一部費用負担をするというサービスだ。
ICT活用は教室に居ながら外の世界を学べる最適な学習ツール、その手軽さに価値を感じるという。「教員向けの Chromebook 導入を次年度から実施できるよう検討しています。生徒だけでなく教員にも Chromebook を使いこなしてもらい、生徒と教員の双方向でICT活用できる授業環境を整えます。可能性は無限大。端末の良さや魅力を上手く使いこなせるよう学校全体で取り組んでいきたいです」。
生徒自身によるICT活用の着想にも期待
高校1年生の物理基礎を担当する林陽菜子 教諭(1年6組担任・理科)は積極的にICTを活用している。板書した内容を生徒が書き写す従来の教科書とノートを使ったスタイルを継承しつつ、生徒にはプリントの代わりに「ロイロノート・スクール」を使って「カード」と呼ばれる機能で資料を配布し、デジタル上に書き込みするなどアナログとデジタルを併用する授業を展開。ICT活用により全員から一斉に回答の回収ができたり、一人ひとりの思考の可視化などができたりしている。
生徒は授業の全般で Chromebook を活用しており、家庭学習にも利用しているという。「たとえば、スタディサプリでは到達度テストをした後の復習に課題を出すこともあります。それを家でやるようにとした時には、生徒たちは家庭でもスタディサプリの動画視聴に Chromebook を使っています」。
理科の教員同士で今後の活用方法についての議論もしているという。「物理問題演習では計算や図を書く量が多いため、そこは紙に書けるよう紙の問題集に、簡易な書き込みは Chromebook を活用するといった感じになるだろうと思います。また結果の再現がその場では難しい実験内容などは動画で見せられるので便利ですね」。その他、林教諭自身は Google カレンダー等も活用したいと話す。「まずは学校行事の予定表に。複数のクラスにまたがる『早朝テスト』の連絡にも使えると便利なのでいろいろと検討しています」。現在、毎朝15分間行っている「早朝テスト」では全クラスで Chromebook を活用。これまでプリント配布で行っていた出題を、Google Classroomで問題を配布して実施しているという。
端末を自分の勉強にどう役立てられるか、次に学習ツールにプラスしてどういった場面で活用していけるか、生徒自身の視点に期待を寄せる林教諭。「『こうしたい』という生徒の思いがたくさん出てくると良いなと思います」。昨年の体育祭の出場種目を決める際には、アンケートを取って集計したいとの声が生徒から上がり、生徒は林教諭とともに Google フォームや Google スプレッドシートなどを活用したという。昨秋から端末を使い始めたばかりだが、生徒の自主性や楽しんでいる姿が既に表れている様子だ。
ICT活用に苦手意識を持つ教員もいるかもしれないが、スモールスタートが大事だと林教諭は考える。他校の研修に参加した際に言われたこと、それは「その程度でいいのか」というレベルをまずやってみること。トライすれば「もう少しこうできないかな?」の思いがやって来て次第にできる操作が増えていく。「ステップは小さく」。最初の一歩を踏み出すための大切なコツかもしれない。
ICT活用を新機軸に学びを楽しめる教育を
学習以外にも、ICT活用で生徒が活動したさまざまなデータを一元化していく「個人カルテ」の準備も着々と進めている。学習記録、定期講座や校外模試の成績、進路希望、委員会活動、学校行事、資格取得など、日々のデータ蓄積と活用でさらにきめ細かい生徒指導や進路指導につなげたいと力を込める松本校長。「オンラインでも生徒をサポートする『ネット担任制度』も導入します」。学びの個別最適化で、生徒一人ひとりをいっそう大切にしたいと抱負を明かす。そして大学進学や社会に出てから自分の興味関心をさらに深めていけるよう、今できる経験や学びを楽しんでほしいと表情を和らげる。
目まぐるしく変化する時代、学園としての大きな節目も相まって教育改革を粛々と進める同校。建学精神を柱に不易流行の理念で教育システムを刷新し続ける。Chromebook を携えて、時代の流れに耳を傾けながら伝統校の100年目が動き始めている。
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