2022年5月31日
教員免許の更新、現役教員は96%が「廃止に賛成」、非保有者は57.6%が「反対」=日本トレンドリサーチ調べ=
NEXERが運営する日本トレンドリサーチは30日、全国の男女計600人を対象に実施した、「教員免許の更新制度に関するアンケート」の結果をまとめ発表した。
教員免許には10年間の有効期限があり、すでに教員として働いている場合は、10年ごとに講習を受け更新手続きをしなければならなかったが、5月11日に改正法が可決・成立したことから、7月からは更新手続きが廃止になる。そこで今回、「教員免許更新制度」の廃止について、全国アンケートを実施した。
それによると、まず初めに、「教員免許」を保有しているかを聞いたところ、「現役の教員である」が4.2%、「現役の教員ではないが(教員免許を)保有している」が15.8%、「保有していない」が80.0%だった。
続いて、7月から「教員免許」の更新制度が廃止されることについて、どのように感じるかを聞いたところ、「現役の教員」は、88.0%が「賛成」、「どちらかというと賛成」が8.0%で、合わせると96.0%になった。
教員として働いているほとんどの人が「教員免許更新制度の廃止」に賛成しており、「反対」と回答した人は1人もいなかった。
また、「現役の教員ではないが保有している」人も、「賛成」45.3%が最も多く、「どちらかというと賛成」も20.0%いた。
一方で、教員免許を「保有していない」人は、「どちらかというと反対」33.8%が最も多く、「反対」23.8%と合わせると57.6%になった。半数以上が「教員免許更新制度の廃止」に反対の気持ちがあることが分かった。
廃止に「賛成」「どちらかというと賛成」の理由については、「ただでさえ大変な先生という仕事を真面目に頑張っている人が、更新で煩わしさを感じなくて済む」(50代女性)、「意味のない更新講習を受けるために授業を休むなど子供を犠牲にしているので」(50代男性)、「大した内容でもない研修を押し付けられて負担ばかり大きかったから」(50代女性)などの声が寄せられた。
一方、「反対」「どちらかというと反対」の理由については、「教員の質を保つために必要だと思うから。ただ、教員としての指導や研修の実績が十分と認められる者は、更新免除や運転免許の優良講習のような簡易化という融通はあってもいいと思う」(40代女性)、「問題を起こした先生が簡単に復帰できそうでいやだから」(60代男性)、「どんな免許も期限を設けた方が良い。取得した時点でその能力があっても、一生その能力を保持しているとは限らない」(80代男性)などの声が寄せられた。
また、公立学校での教員不足を解消するために必要な対策だと思うことを聞いたところ、「給与を上げる。小学校の先生の負担が大きすぎるので、教科担任制を導入する。個々の特性、習熟度に合わせたクラス編成、又はレベル別の教科の受講を認める」(40代女性)、「社会人から登用してはどうか、学歴、学科不問で人間性重視で選んで欲しい」(50代男性)、「ITを有効利用し、勉強の70%はPCでやらせる。従来の教員は30%くらいに削減して、ITで出来ない勉強の部分を補う」(60代男性)などの意見が寄せられた。
このアンケート調査は、全国の男女を対象に、5月18日~24日にかけて実施。有効回答数は600人(20代以下・30代・40代・50代・60代・70代以上で男女各50人)。
関連URL
最新ニュース
- 20代の「仕事と学歴」に対する意識調査 =Personal調べ=(2024年11月21日)
- 共働き家庭の子どもの教育、「母親主導」51.4%、「夫婦共同」33.5%、「父親主導」13.9%=明光義塾調べ=(2024年11月21日)
- マイナビ、高校生向け探究学習サイト「Locus」を全国の高校へ4月から無償提供(2024年11月21日)
- チエル、全日本教育工学研究協議会全国大会(JAET)東京都港区大会に出展(2024年11月21日)
- 明治学院大学、生成AIで個人の「顔表情からの感情推定」を可能に 学生グループが受賞(2024年11月21日)
- 高度人材育成機構、「DX認定企業調査報告書 2024年版」公開(2024年11月21日)
- ISEN、「令和5年度学校・教育機関における個人情報漏えい事故の発生状況」調査報告書を公表(2024年11月21日)
- プログラミング教育「HALLO」、年長~中学生対象の「冬期講習会」を開催(2024年11月21日)
- CKCネットワーク、「出席扱い制度オンライン説明会」12月に開催(2024年11月21日)
- ワオ高校、通信制高校で海外を目指す 海外大学進学セミナー 23日オンライン開催(2024年11月21日)