2026年9月17日
生成AI、半数超の54.6%が会社管理の環境で活用も「ルール浸透」は15.1%=アビタス調べ=
国際資格講座などを展開するパスメイクグループのアビタスのアビタス教育総合研究所は15日、全国の30歳~65歳の管理職以上の会社員(正社員)350人を対象に、「生成AIの業務利用と管理体制に関する実態調査」を実施し、その結果を発表した。
その結果、会社が管理する生成AIを全社的・一部部署・試験的に利用している割合は54.6%に達した一方、利用ルールが整備され、従業員に十分浸透しているとの回答は15.1%にとどまった。両者の差は39.5ポイントとなり、生成AIの「活用」が広がる一方、「ガバナンス」が追いついていない状況がうかがえる。
さらに、会社管理外の生成AI(いわゆる「シャドーAI」)を利用している従業員がいるとの回答は31.7%、生成AIの利用状況やリスクを確認・評価する仕組みやプロセスが不十分との回答は51.1%に上った。
生成AIは業務の生産性向上や価値創出につながる一方、企業には利用を推進するだけでなく、どのように利用され、どのようなリスクが生じているのかを把握し、適切に管理・評価することも求められる。
本調査は、2025年9月1日に全面施行された「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)を背景に、企業で働く管理職の認識を通じて、生成AIの業務利用とガバナンス体制の実態を把握することを目的に実施した。本調査では、「AI活用」を生成AIを業務で利用すること、「AIガバナンス」を利用ルールの整備・浸透に加え、利用実態の把握、リスク評価、責任体制、監査・点検などを通じてAI利用を適切に管理・統制する取り組みと定義し、企業における生成AIの「活用」と「ガバナンス」の実態を分析した。
はじめに、会社が契約・承認し、アカウントや利用条件を管理している生成AI(ChatGPT、Gemini、Claude等)の業務利用状況を尋ねたところ、「全社的に利用している」が26.0%、「一部の部署で利用している」が19.7%、「試験的に利用している」が8.9%となり、何らかの形で利用している回答は合計54.6%だった。
一方、生成AIの業務利用に関するルールやガイドラインについて、「整備され、従業員にも十分に浸透している」との回答は15.1%でした。「整備されているが、十分には浸透していない」は19.7%、「現在整備を進めている」は14.6%で、ルールを「つくること」と、実際の業務に「浸透させること」が別の課題となっている状況がうかがえる。
また、「必要性は認識しているが、整備できていない」は14.0%、「必要性を含め、まだ十分に検討されていない」は20.9%でした。両者を合わせると、34.9%がルール未整備に相当する回答となっている。
生成AIは短期間で導入できても、利用実態の把握、ルールの周知、研修、定期点検といった運用体制の構築には継続的な取り組みが必要。今回確認された39.5ポイントの差は、AIの導入・活用が先行する一方、利用を管理・統制するための運用体制の構築が次の課題となっている可能性を示している。


次に、会社が契約・承認・管理していない生成AI(個人アカウントや無料版等)の従業員による業務利用状況を尋ねたところ、「利用している従業員がいる」との回答は31.7%だった。管理職回答者の約3人に1人が、勤務先で管理外AIが業務利用されていると認識している結果だった。

また、「利用している可能性はあるが、実態を把握できていない」は18.3%、「状況を把握しておらず、分からない」は26.3%だった。この2項目を合算すると44.6%となり、利用の有無以前に、現状を把握する仕組みが十分でない可能性がうかがえる。
一方、「把握している範囲では、利用している従業員はいないと思う」と回答した割合は23.7%だった。
管理外AIへの対応では、利用を一律に禁止するだけでなく、一定の安全性が確保された環境の整備、入力してよい情報の明確化、利用状況の把握を並行して進める視点が求められる。
生成AIの業務利用に関するリスクや不安では、「AIが生成した誤情報の利用」が43.1%で最多となり、「機密情報や個人情報の漏洩」の33.7%を9.4ポイント上回っt。「著作権や知的財産権の侵害」は28.0%、「会社が承認・管理していない生成AIの利用」は23.1%だった。

インシデントのタイプとしては、「生成AIが出力した誤った情報をそのまま業務に使用した」が17.1%で最多だった。次いで「著作権侵害の可能性があるコンテンツを生成・使用した」が15.7%、「生成AIの出力を顧客等に提供し問題が生じた」が13.1%、「機密情報や社内データを生成AIに入力した」が12.9%だった。
一方、31.1%はトラブル・ヒヤリハットの発生状況を把握していないと回答した。
トラブルそのものへの対応だけでなく、インシデントを検知し、報告、是正、再発防止につなげる運用プロセスが機能しているかを確認することも、AIガバナンス上の課題と考えられる。

生成AIの利用状況やリスクを確認・評価する仕組みやプロセスについて、「あまり整備されていない」が25.7%、「まったく整備されていない」が25.4%となり、合計51.1%が不十分と回答した。「十分に整備されている」は8.9%だった。

生成AIのリスクを確認・評価するために必要な知識・経験を持つ人材については、「あまりいない」が29.1%、「まったくいない」が19.1%、「十分にいる」は11.1%だった。

企業におけるAI人材育成では、生成AIを業務で活用するための知識やスキルだけでなく、その利用状況やリスクを確認・評価し、適切に統制するための知識も必要になる。ルール策定に加え、利用実態の把握、出力結果の検証、定期的なリスク評価、それらを担う人材の育成・確保まで一体的に進めることが、AI活用を継続するための課題となっていることがうかがえる。
生成AIを安全かつ積極的に活用するため、今後必要性が高まると思うものを最大3つ尋ねたところ、「従業員への生成AI・リスク教育」が36.6%で最多となり、「利用ルールやガイドラインの整備」が32.0%で続いた。
一方、「AIのリスクや管理体制を独立した立場から評価・監査できる人材」は7.7%、「外部専門家による第三者評価や助言」は3.1%だった。
生成AIのリスクを確認・評価するために必要な知識・経験を持つ人材が不足しているとの回答が48.2%に達する一方、「独立した立場から評価・監査できる人材」を今後必要な項目として選択した割合は7.7%にとどまった。
この結果からは、AIガバナンスを担う人材が不足しているという課題認識と、その解決手段として「評価・監査を担う専門人材」を位置づけることとの間に隔たりがある可能性がうかがえる。
今後は、社内教育やルール整備を入口としつつ、組織規模やAI利用のリスクに応じて、独立した評価・監査や外部専門家の活用を選択肢に加えることが考えられる。

【アンケート概要】
調査名称:生成AIの業務利用と管理体制に関する実態調査
調査対象:全国の30歳~65歳の正社員・一般企業(IT・情報サービス業を除く)に勤務する課長職以上の管理職
調査手法:インターネット調査
調査時期:2026年8月
有効回答:350名
関連URL
最新ニュース
- 娘にプログラミングを習わせたい保護者は69%、IT・理系に興味がある子どもは27%=Griteen調べ=(2026年9月17日)
- 生成AI、半数超の54.6%が会社管理の環境で活用も「ルール浸透」は15.1%=アビタス調べ=(2026年9月17日)
- 学習体験を「おもしろい」と感じた層ほど、学習効果もその後の継続学習意欲も向上 =パーソルワークスイッチコンサルティング調べ=(2026年9月17日)
- 「AI時代でも語学力はキャリアに重要」77.4%=Job Merit調べ=(2026年9月17日)
- 教科学習・探究学習の充実へ、ShoPro・ネットアドバンスが福井県立若狭高校と三者協定を締結(2026年9月17日)
- 英語教育協議会、文科省後援「2026年度 ELEC英語教育賞」応募を受付中(2026年9月17日)
- 山田進太郎D&I財団、中高生女子が理系分野で働く社会人女性に出会う「STEM Day」開催(2026年9月17日)
- EPAD、「これからの教育と舞台芸術 ―公演映像を活用した学びの実践と可能性―」25日開催(2026年9月17日)
- TAC、「大学2年から始める!超早期選考公務員」24日オンラインで配信(2026年9月17日)
- 先端科学分野の人々がつながる大型イベント「Newtonフェス」25日・26日開催(2026年9月17日)










