2015年5月28日
文科省/教育投資の経済的・社会的効果の調査報告
文部科学省は27日、日本での教育投資の経済的・社会的効果をまとめた、2014年度「教育改革の総合的推進に関する調査研究」報告書を公表した。
調査では、教育投資の効果を説明するために、先行研究の調査、定量分析、有識者インタビューを実施し、その結果をまとめた。
定量分析の調査では、公立中学校出身で、無職者を除いた全国の30代から40代の3000人を対象に、インターネットアンケートを実施。
中学時代の成績(認知能力)、中学時代の遅刻・欠席状況や部活、生徒会の活動状況など(非認知能力)、最終学歴が、雇用や所得、結婚、健康にどのような影響を与えているのか調査した。
定量分析の結果によると、特に男性については理数系科目の成績、女性については文科系科目の成績が、雇用や所得に対してプラスの影響を与えていることが示唆された。
男性の理数系科目の成績が、1ポイント上昇すると雇用(常勤)確率を約1.13倍に高め、年収を約20.3万円高める。同時に、個人収入の増加を通じて、一人当たり年間約2.7万円(1世代の6万人当たり約16.2億円)の税収増加をもたらすことが期待される。
女性については、文科系科目の成績が1ポイント上昇すると、年収が約4万円高まり、一人当たり年間約2000円(1世代の6万人当たり約1.2億円)の税収増加がもたらされることが期待される。
また、非認知能力は、男性の雇用、所得、結婚、健康すべての効果に、女性の雇用、結婚、健康の3つの効果に直接的にプラスの影響を与えている。
男性の非認知能力は、1ポイント上昇すると雇用確率を約1.049倍に、年収を約7.6万円、結婚確率を1.088倍に、健康状態を0.031 ポイント高めることが期待される。また、税収は一人当たり年間約1万円(1世代の6万人当たり約6億円)増加し、医療費(公費負担)は一人当たり年間約1700円の削減につながる。
女性の場合、非認知能力の影響は、1 ポイント上昇すると雇用確率を約1.046倍に、結婚確率を1.088倍に、健康状態を0.047ポイント高めることが期待される。さらに、医療費は一人当たり年間約1800円削減されるという。
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