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2015年7月7日

デジタルアーツ/「他人を自殺に追い込むと捕まる」知らない女子中学生が約6割

デジタルアーツは6日、「未成年者と保護者のスマートフォンやネットの利活用における意識調査」を6月に実施し、その結果に関する発表会を行った。

今回の調査では、10歳~18歳の未成年者を対象に、携帯電話・スマートフォンなどのインターネット接続端末の利用実態調査とともに、ネット上での投稿における違法行為に関する認識や普段からの意識に関する実態調査を行いった。

スマートフォンの使用有無と今後の使用意向

それによると、何らかの携帯電話を持つ未成年のスマートフォン所有率は67.3%(前回1月調査:65.1%)となり、前回より2.2ポイント増加。とくに女子中学生は69.9%(52.45%)となり、17.45ポイントも増加した。

フィルタリング使用状況としては全体で48.2%(48.6%)と前回とほぼ変わらない結果となった。前回調査で39.3%と使用率が低めだった女子高生の使用率は今回13.7ポイント増え、53%となった。

スマートフォン・携帯電話の1日当たり使用時間

携帯電話・スマートフォンの一日の平均使用時間については、全体で2.5時間となり、前回調査の3時間より0.5時間減少。女子高校生では5.5時間(7時間)となりこちらも減少した。この結果について、デジタルアーツ経営企画部の吉田明子氏は別の調査結果を踏まえ、“ながらスマホ”で注意されたという項目の回答数が少なくなっており、そうした点も減少の要因ではないかと語った。

禁じられていると思う行為

また、インターネット上の犯罪・違法行為の認識に関する調査も行った。

動画アプリで撮影・投稿する内容を尋ねたところ、全体としては「自分のプライベート写真・映像」が30.4%、「学校での自分や友達」が20.4%となった。女子高校生では「芸能人・有名人の写真・映像」が31.1%、「有名キャラクター」が16.5%、「コンサート、ライブの映像」が12.6%という回答となった。

違法と思う行為については、女子中学生では「他人を自殺に追い込むと捕まる」が40.5%となり、認識が低い結果となった。女子高校生では「違法行為の仲間を募集すると捕まる」が47.0%、「他人を侮辱すると訴えられる」「商標のあるものを無断公開したり2次的に引用すると訴えられる」「他人に法令違反になることを強要すると捕まる」がともに50%となった。

第2部では、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の中崎尚弁護士が登壇し、「未成年のネット上の違法行為の実態」をテーマに講演。続いて、中崎弁護士とデジタルアーツ経営企画部の工藤陽介氏によるクロストークでは、ネット上の違法行為や迷惑行為の今後の対策について意見が交わされた。

工藤氏は調査結果を引用し、6割近くの女子中学生が、他人を自殺に追い込むと捕まってしまうことを知らないという結果に衝撃を受けたと感想を述べ、さらに、学校への啓発活動を行う中で、無料でライブ配信ができるアプリtwitcasting(ツイキャス)を使って生徒が先生の授業を撮っていることがあったという事例を挙げ、本人たちは法律的な問題を意識できておらず、教員もネット生中継されていることを知らない、といった点に問題があると語った。

中崎弁護士は、動画アプリで撮影・投稿する内容の結果に触れ、ネットの普及で簡単に動画を撮影・投稿できてしまう環境のなかで、子供も親も何が違法なのかについての認識が薄いのではないかと述べた。

デジタルアーツでは、今後もこうした調査を継続するともに、フィルタリング利用の重要性を紹介しながら学校等での情報モラル教育活動を行っていくとしている。

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