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2017年9月30日

研究者と大学生対象の電子書籍調査「イーブック白書Vol.8」発表

シュプリンガー・ネイチャーは25日、日本の研究者と大学生を対象に、電子書籍(英文学術書の電子版)に関する認知度および教育利用に対する意識調査を実施し、「イーブック白書Vol.8」にまとめたと発表した。

この調査は、2013年に実施した第1回の認知度調査の追跡調査も兼ねており、さらに高等教育の現場における電子書籍の利用状況の実態についての調査も加えられている。

本調査は大学・企業・病院などの研究開発機関で研究に携わる研究者、教員、学生を対象に、教員・学生向けにそれぞれ異なるアンケートを実施した。本調査では、Springerの出版する書籍だけでなく、イーブック全般に対する認識についても調査。調査期間は2016年10月1日~12月16日、有効回答数は573件だった。

□電子書籍の認知度が飛躍的に向上
2017年の調査では、全体の84%が、Springerが電子書籍を出版していることを知っていると回答し、2013年の56%に比べて認知度が飛躍的に向上していることがわかった。また、所属している機関でSpringerのイーブックが導入されているかどうかを尋ねた質問では、2013年の27%から43%へと増加していることから、機関で導入したイーブックの存在をより意識していることがうかがえる。「利用できるのを知っている」と答えた回答者の多くが「図書館からの案内」により知りえたことから、図書館の周知活動が重要であることを示している。

□教育目的の利用は今後の拡大に期待
学術書出版点数で最大規模を誇るSpringerは、2005年以降に出版した書籍をすべて電子化し、2017年8月現在において23万点を超えるSTM(科学・技術・医学)分野とHSS(人文社会科学)分野を網羅する包括的なイーブック・コレクションを有している。

Springerの電子書籍は、機関で導入すると、授業での利用や学生との共有が可能になり活用機会が広がる。43%の教員が教育目的の利用が可能と知りながら、実際に利用している割合は24%であることから、今後更に教育目的での利用が拡大する機会があることがわかった。

積極的にイーブックを活用している学生は、全文検索でヒットした箇所をパソコン画面上で拾い読みしたり、キーワードからのリンクや注釈機能など、電子ならではの利便性を評価している。また、紙の書籍と比較した意識調査では、81%の回答者が紙よりイーブックを好む、またはイーブックでも構わないと回答している。

教員に教育利用としての電子書籍に期待することを自由回答で尋ねたところ、概ね基礎レベルあるいは教科書としての役割を中心に、動画やアニメーションなどの電子ならではの機能を存分に生かしたコンテンツ作りが求められていることがわかった。さらに、学生の費用負担を軽減する目的で電子書籍を利用したいという声も多く、演習に利用できるような高い機能性を求める声も聞かれた。

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イーブック白書Vol.8

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