2019年4月15日
工学院大、紀客員研究員らの国際研究チームが“ブラックホール”の撮影に成功
工学院大学は12日、同校の紀基樹客員研究員(教育推進機構)らの参加する国際研究チームが、「イベント・ホライズン・テレスコープ」と呼ばれる地球サイズの仮想電波望遠鏡を用いて、メシエ87(M87)銀河の中心を、天体観測史上最も高い空間解像度で観測したと発表した。
その結果、理論上予言されていた「ブラックホールシャドウ」と呼ばれる中心部に黒い穴の空いているリング状に光る構造を、史上初めて撮像することに成功した。今回観測されたブラックホールシャドウの画像は、アインシュタインの一般相対性理論で予言される「回転するブラックホール(カー・ブラックホール)」のごく近傍での現象でよく説明できることが明らかになったという。
国際研究チームは、世界各地の電波望遠鏡を組み合わせた地球サイズ(約1万km)の仮想口径をもつ電波望遠鏡「イベント・ホライズン・テレスコープ」を用いて、地球から約5500万光年離れたメシエ87(M87)銀河の中心部分を、20マイクロ秒角という天体観測史上最も高い空間解像度で観測した。その結果、理論上予言されていた「ブラックホールシャドウ」と呼ばれる中心部に黒い穴があるリング状に光る構造を撮像することに成功し、その実在を初めて視覚的に確かめた。
今回観測されたブラックホールシャドウの画像は、理論モデルとの比較に基づくと、アインシュタインの一般相対性理論で予言される「回転ブラックホール(カー・ブラックホール)」で説明でき、リング状構造の直径は「ブラックホールの質量」、明るさの非対称性は「ブラックホールの回転」の影響による可能性が高いことが示唆さたという。
日本チームは、観測装置や解析ソフトウェアの開発に大きく貢献し、中でも紀研究員は、得られたブラックホールシャドウの画像を物理的に解釈するための理論研究に大きく関わった。
「今後は、別の国際観測プロジェクト「東アジアVLBIネットワーク(EAVN)」で得られた観測データを組み合わせることで、ブラックホール近傍で起こるエネルギッシュな天体現象の謎に迫りたい」と紀研究員は語っている。同研究員は東アジアVLBIネットワークAGN科学WGの代表として観測を進め、加えて、科研費基盤研究C「一般相対論的輻射輸送計算と電波VLBI観測で探るブラックホールジェットの駆動機構」によるサポートを受けて、ブラックホールに関する研究を推進している。
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