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2019年10月9日
先生が考えて先生のために作った「PC・タブレット充電保管庫」/LocknCharge
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1998年頃、オーストラリアの高校で数学教師を務めていたPaul Symonsは、学校のPC教室からデスクトップPCが盗まれるのを防ぐために自宅の裏庭でPCを固定する装置(セキュリティワイヤーやチェーンキット)を制作した。盗難がなくなり喜んだ校長は、近隣の学校の校長にも紹介。多くの学校で好評だったのでPaulは会社を設立、製造・販売を開始した。息子のJames Symons (現CEO)は営業を担当することになった。
21世紀になると、世界に先駆けて「生徒1人1台情報端末」を目指したオーストラリアでは、ノートパソコンやタブレットPC、iPadの普及が一気に加速していった。大量のPCやタブレットが教室で使用されるようになると、その保管や充電、準備や後片付けなどで教師の負担が増大していった。Symons親子は、こうした教師の負担を軽減するためのツールの開発に着手。遂に、バスケットを使用して保管・充電・運搬が可能な画期的なシステムを考え出した。それがLocknCharge(ロックンチャージ)だ。
LocknChargeの特徴はなんといっても「バスケット」を使用するところ。PCやタブレットの充電保管庫といえば、保管庫の中で1台ずつ充電用のケーブルと接続されていて、使用するときも片付けるときも、1台ずつ出し入れしなければならない。だから、時間が掛かるし面倒くさい。LocknChargeは一つのバスケットに5台のPC・タブレットを収納。そのまま充電して、そのまま持ち出せる。だから、出し入れに時間が掛からない。そのことにどれほどのメリットがあるかって。まず、動画を見て欲しい。
左が従来の充電保管庫、右がLocknCharge。授業後にタブレットを充電保管庫に片付ける様子だ。
LocknChargeはおよそ2分で完了したが、従来のものは4分以上掛かっている。つまり、2分の差がある。たかが2分かも知れない。しかし、これが毎日だったらどうか。準備と片付けで4分。授業時間のおよそ1割にあたる。授業を計画通りに進行したい先生にとって1分は大切。まして4分ともなれば、振り返りが出来るか出来ないかに関わってくる。控えめに見積もって1日1回使用したとしても、LocknChargeを使用することで、他の保管充電庫に比べ800分、20時限程度の授業時間を確保することが出来るということになる。
LocknChargeの2つめの特徴は、安全・安心を確保するセキュリティ性能だ。まず堅牢な筐体に頑丈なロック。簡単に破壊したり開けられたりすることはない。教室に配置して使用することを前提に考えられたLocknChargeでは、安全性にも配慮がされている。例えば天板が激しくスライドして閉じられたとしても、子どもたちが手指を挟まれたりすることがないように、閉まる直前でスピードダウンしてゆっくりソフトに閉まる。また、固い鉄板の角はすべてR加工が施されていて、子どもたちが不用意に触ったりしても、手を切ったり傷つけたりすることはない。細心の気配りがなされている。
LocknChargeの3つめの特徴は、充電性能だ。例えば40台のPC・タブレットを収納して充電できる「Carrier 40 Cart」。教室のコンセントから40台も充電するのは大丈夫かと心配になる。しかし、LocknChargeは「ECO Safe Charge電源管理システム」という輪番充電システムを標準で装備している。充電する端末を4つのグループに分割して、順番に輪番で充電するので大きな負荷を一度に掛けることなくエコに充電することが出来る。もちろん、短時間に一気に全部を充電することも可能だ。その場合でも4回に分けて充電を開始するのでコンセントに大きな負荷が掛かることはない。
LocknChargeはこの他、「コンパクトで省スペースなデザイン」「iPad、Chromebook、MacBook、タブレット、ノートパソコンなどとの高い互換性」「安全な2点固定システム」「簡単なケーブル管理」「生涯保証」など多くのメリットを提供する。
LocknChargeを開発した経緯についてCEOのJames Symonsは、「私たちのミッションは、とにかく『先生を楽にすること』でした。ICTの利用や、PC・タブレットの授業での活用など新しいことを始めるときには、先生に大きな負担が掛かったり、沢山の課題が発生するものです。だからこそ、端末の充電や保管といったベーシックな部分で余計な心配をしなくて済むようにしたかったんです」と語る。
LocknChargeの日本市場責任者で元校長のPatrick Noonanは、日本市場での取組について「今の日本の状況は10年ほど前のオーストラリアの状況に似ています。今6人に1台くらいで、1人1台を目指していますがなかなか進まない。紙からデジタルに変えようというのですから大変なのは当然です。ICT環境や端末を揃えればいいというものではなく、カリキュラムや教材、教え方をどうするかなど課題は沢山あります。教師というのはどの国でも保守的なものです。変わるのは嫌がるし、新しいことで労力がかかるのも避けたいです。LocknChargeは、端末管理を楽にして先生の負担を軽くすることでICTの導入を支援します」と力強く語った。
LocknChargeのラインナップは、20台のデバイスを充電、保管、盗難防止および持ち運ぶことができる「Carrier 20 Cart」、30台の「Carrier 30 Cart」、40台の「Carrier 40 Cart」のCarrier Cartシリーズの他、据え置きタイプやプログラミング学習用ロボット「Sphero(スフィロ)」専用の「Sphero Charging Case」など利用方法に合わせて多彩に揃えている。
最後にCEOのJames Symonsは、「オーストラリアで誕生したLocknChargeですが、現在の売上は7割がアメリカ、2割がオーストラリア、1割がヨーロッパです。ICTの活用が進む国々には、LocknChargeが必要とされてきました。日本でもきっと、多くの学校で利用して頂けるものと信じています」と語った。
LocknChargeの日本での販売は、ダイワボウ情報システム(DIS)などが担当している。
問い合わせ先:DIS教育ICT総合サイト
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