2021年11月11日
青山学院大学、速報実証衛星「ARICA」がJAXAのイプシロンロケット5号機に搭載
青山学院大学は9日、同大学理工学部物理科学科坂本研究室で開発した10cm角の超小型衛星 ARICA(ありか) が、JAXAの革新的衛星技術実証2号機としてイプシロンロケット5号機に搭載され、内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたと発表した。
JAXAの「革新的衛星技術実証プログラム」は、2年に1回、計7回の打ち上げ実証を予定しており、今回が2回目となる。同プログラムは、大学・研究機関・民間企業等が開発した部品や機器、超小型衛星、キューブサットに宇宙実証の機会を提供するプログラムで、同研究室が開発した速報実証衛星「ARICA」が革新的衛星技術実証2号機の実証テーマとして採択された。
2017年に天文学者らが中性子星同士の合体に伴った重力波からの光の観測に初めて成功し、重力波天文学の幕開けとなったが、その光は突然明るくなり、時間とともに暗くなる突発天体と呼ばれる天体からのものだった。このように突発天体の研究は最先端の科学に直結しているが、突発天体は時間とともにすぐに暗くなってしまうため、明るいうちに世界中の研究者に速報し、様々な望遠鏡を用いた詳細な観測につなげることが鍵となっている。しかし、地球を周回する科学衛星に搭載された観測機器で発見された突発天体を即座に速報するには、国の研究機関などが所有するデータ通信衛星の利用や多くの地上局の設置などが必要で、大きなハードルとなっている。
そこで同研究室では、現在利用可能な民間衛星通信に着目し、小型な民間衛星通信端末を10cm角の超小型衛星に搭載。突発天体の速報システムの実証実験を行った。同実証実験に成功すると、速報が必須な突発天体の観測を主目的とした将来衛星計画において手軽で、信頼性の高い速報システムの利用への道が開かれる。
ARICA衛星の全体設計、搭載する基板の設計、衛星の電源やセンサー周りの制御システム開発、ガンマ線検出器の開発、通信端末の制御システム開発など全てにおいて学生主導で行われた。また、2021年4月の JAXA 宇宙科学研究所の施設での衛星の熱真空試験、5月と7月の九州工業大学の施設を利用した振動・衝撃試験を経て、8月中旬にロケット側への衛星の引き渡しを完了した。熱真空試験においては5人の学生が、そして、振動・衝撃試験や衛星の引き渡し作業においては2人の学生が参加。打ち上げ後、衛星から送られてくるデータを可視化するためのプログラム開発も学生が中心となって行っている。
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