2022年5月19日
高専機構、産学官と連携した「半導体人材育成事業」をスタート
国立高等専門学校機構(高専機構)は18日、産学官と連携した「半導体人材」の育成事業を開始すると発表した。

熊本高専 クリーンルームでの実習の様子
同事業では、産業界、大学などの教育機関、政府、地方自治体との連携で、全国すべての学科の国立高専生が半導体に関する様々な知識・技術を習得できる体制を構築。
半導体の製造から企画・応用利用までをカバーする半導体関連教育の実践に向けて、九州・沖縄地区の9高専を中心とする「半導体人材育成事業」に取り組んでいく。
具体的には、半導体関連産業を、材料サプライチェーンから半導体製造・品質管理、半導体設計までを「川上~川中」、AI活用・サービス提供などの新たな応用の創出や利用範囲の拡大(新たな付加価値等)などを「川下」にたとえ、オール高専で半導体関連産業の「川上から川下まで」の幅広い分野をカバーする半導体関連教育を実践する。
拠点校(熊本高専・佐世保高専)及び実践校(九州・沖縄地区の高専)を中心に、オンライン授業も活用して、半導体教育に取り組んでいる高専それぞれの強みとリソースを生かした高専連携による半導体教育を先行実施した後、新たな半導体教育の実施とともに、全国の高専に順次展開していく。
同時に、九州経済産業局が半導体産業基盤の強化を図ることを目的に設立した「九州半導体人材育成等コンソーシアム」に高専機構も参加し、九州地区の産学官の関係機関との連携強化を進める。
また、産業界の半導体人材ニーズ・スキルの集約・明確化とともに、相互の教育研究設備の共同利用・利用提供や人的交流(実務家教員派遣、出前授業実施など)などを通じて、ニーズに即した教育内容の充実・強化を図っていく。
産業界との連携による取組の1つとして、SIIQ(九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会)による出前授業「半導体工学概論」を開始。
同授業では、熊本高専(専攻科生)と佐世保高専(本科4年生、専攻科生)の学生を対象に、SIIQ会員企業から派遣される講師による最先端の半導体関連産業の現状や実用例、製造技術などについて教授し、学生が習得した技術を社会で生かしていくことを目指す。
高専は、15歳からの5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)で、実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関。現在、全国に国立51、公立3、私立3の高専があり、全体で約6万人の学生が学んでいる。
【高専が育成する「半導体人材」の概要】
①「研究開発志向人材」:半導体製造の全体を俯瞰し、最先端技術(新材料や新機能デバイス、新たな製造技術など)の研究開発に参画できる知識と研究基礎力を備えた人材
②「実践的人材」:半導体に関連する電気・電子工学の知識と技術を習得し、半導体関連の材料、デバイス、電気・電子回路、集積回路に関わる、製作/分析/評価の一部の工程の実務に携わることができる人材など
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