2021年11月24日
丁寧なコミュニケーションで学校の課題に寄り添い学習効果を検証し続ける、「すららドリル」を活用した学び/守山市教育委員会
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守山市教育委員会は2020年、EdTech導入補助制度により、市内小中学校で「すららドリル」を活用。学力面や意欲面の向上といった成果が確認され、2021年度は継続利用が決まり、9月から13校で本格的に活用がスタートした。守山市教育委員会 教務課 金田泰秀指導主事に「すららドリル」の学習効果の検証や各校での利用について話を聞いた。
急激に変わるICT環境への戸惑い〜「すららドリル」導入
守山市の小中学校では、GIGAスクール構想を機に急激にICT環境の整備が進んだ。児童・生徒1人1台のChromebookは一気に行き渡り、校内Wi-Fi環境の品質も向上、そして経済産業省が進めるEdTech導入補助制度によって、2020年には市内の小中13校で「すららドリル」の導入も決まった。
金田指導主事は、この短期間の大きな変化に対し、予備知識もなく最初は非常に戸惑ったと振り返る。だが一方で「せっかくの機会、児童生徒らの学びの課題解決のために「すららドリル」の効果を検証したい」とも考えたという。
2020年度の『すららドリル』学習効果を検証〜学力テスト正答率・生徒の意欲ともに向上
市内中学校の例で2020年度の「すららドリル」の取り組みと効果を見てゆく。3年生143名が主に12月から3カ月、数学に取り組んだ。中学1年から3年範囲の「A 数と式」を領域対象とし、高校入試の大問1レベルの難易度の問題を「すららドリル」で配信した。
「すららドリル」は、生徒の理解度に合わせ必要なステップで、定着に最適な問題を自動出題する。正答できない場合、「つまずき分析」機能が直近の学習内容だけでなく学年を超え既習範囲に渡って原因を分析、解説やレクチャーで復習できるようになっている。生徒一人ひとりに個別最適化された「すららドリル」の復習や演習問題に、通常授業の開始5分間でウォーミングアップとして取り組んだ。加えて自習や家庭学習でもChromebookで学べるようにした。最も学習時間の長かった12月は、月間平均2時間25分ほど「すららドリル」で学んでいる。
取り組み期間の前後に学力テストを実施して成績を比較した。2回の学力テストは、難易度は同レベル、問題自体は異なるものだ。
「すららドリル」の活用によって、「連立方程式」約22%、「正負の数、文字と式」約15%、「展開・因数分解」約13%、「平方根」約9%正答率が向上するなど大きな成果が見られた。
生徒へのアンケート結果からは意欲面の変容が明らかになった。「目標を設定し計画的に学習できるようになったか」、「学ぶことが楽しくなったか」、「やる気が出て学習に取り組む時間が増えたか」という問いに全体の6割以上の生徒が肯定的な回答をしており学習意欲向上効果を実感した。「苦手分野の把握やその克服効果」を実感した生徒は8割を超えた。
重要なのは漫然と継続するのではなく検証し結果から判断すること、2021年度の取り組み
2021年度、小学校9校、中学校4校合計13校で正式に「すららドリル」の導入が決まった。決定まで異例のスピード感であったと金田指導主事。市が教育に力を入れていること、前年の検証で大きな成果が得られたこと、学校現場から「すららドリル」への期待や積極活用を望む声があったことを理由にあげた。コロナ禍でのスムーズなオンライン学習の実績という意味合いも大きいだろう。
もちろん、全ての学校現場から歓迎されたわけではない。準備の時間がとれない、苦手意識があるなどさまざまな理由で消極的な意見もあった。
「AIドリルが注目されて製品も多い。一度使い始めるとそれをそのままでよいとなりがちだ。しかし漫然と継続せず、常に立ち返って検証し学校と共有し、最善なのか判断を続けることが重要だ。」と金田指導主事は語る。
そこで3校を『すららドリル』利用の基幹校と位置付け課題解決に取り組んでいる。
◆小学3、4年生、算数の弱点を克服し全体の理解度向上のために
校長自ら授業を見てまわる中で、3、4年生の算数授業の理解度に不安を覚えた小学校。すららネットの担当者とともに金田指導主事が学校へ赴き、教諭らと丁寧に課題を分析。小テストの結果をもとにした対策で理解度向上を図れると考えた。「自動復習登録」で児童に合った課題を配信、毎朝10分の「すららタイム」で学び直しを行ない個々の弱点克服を図る。復習がない児童は、現在の学習単元の課題を配信するなど段階に応じて全体の理解度を押し上げる計画だ。
◆深く思考する理科授業に必要な学力を
中学校の理科の授業では、見通しを立て、観察や実験結果をもとに分析、解釈し表現する力をつけ、深く思考することが重要だ。しかし深い思考に必要な基礎となる前年度の学びの忘却が課題ととらえた中学校があった。その解決に「すららドリル」を活用し、知識がぬけている部分の課題を配信している。授業中の思考の深まりは、ノートへの書きぶりなど質的な変貌に現れることを期待しているという。
◆クリエイティブな英語の授業のために
積極的に英語授業を展開している中学校では、より一層のクリエイティブな授業のために「すららドリル」の効果的な活用を模索した。前の2校でのすららネット担当者とのやりとりをもとに金田指導主事が学校現場で丁寧にコミュニケーションをとり、配信課題を提案した。英語教諭らから、「こんなに簡単なら他教科にも広めたい」と歓迎されている。まだ活用率は高いとは言えないが今後の利用拡大が期待される。
数字だけでなく授業の質の向上を目指す、丁寧に各校に寄り添うことで利用を拡大する
「利用率や学力テストの結果は重要だが、それだけではない。『授業自体が変わる』ということをAIドリル活用の目標としたい」と金田指導主事。まだ全ての学校、全ての子どもが使用している状況にない。そのためには、学校へ足を運び、丁寧に聞き取りをして課題に寄り添うことが非常に重要だと考えている。
4月の全国学力調査に合わせて小学5年生に市独自の学力調査を行なった。8月末に出た結果を分析、例年の学力調査結果の傾向も踏まえて対策が必要な単元の「すららドリル」課題を教育委員会が作成して市内の各校に提供する予定である。学校がスムーズに「すららドリル」配信をスタートできるようサポートしたいというねらいだ。来年度以降も学力調査の結果を継続的に分析していき、成果を実感できると学校の利用も積極的になり、加速するだろう。
また課題の少ない、正答率上位校での利用拡大は次のチャレンジだ。利用目的の明確化が必要だが、1歩進んで生徒自身が課題を見つけラーニングデザインをする「自己調整学習」に期待するという。学習者が自分自身に最適な学びを「すららドリル」で実現するのだ。
成果は見えてきたが取り組みはまだ途上にあると、金田指導主事は繰り返す。どの学校、どの学年でも使ってもらえるよう丁寧なコミュニケーションで課題に寄り添い、検証を続ける中で良い学びを実現したい、と展望を語った。
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