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2023年11月9日

小~高校生の約8割が「ICT機器を使う授業は楽しい」と回答=ベネッセ&東大の共同調査=

ベネッセの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」と東京大学社会科学研究所は8日、全国の小学4年~高校3年生の計9182人を対象に実施した、「子どものICT利用に関する調査2023」の結果をまとめ発表した。

両者は、2014年に「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクトを立ち上げ、同一の親子モニター(小学1年~高校3年生、約2万1000組)を対象に、2015年以降9年間にわたり複数の調査を実施。12学年の親子の意識・行動の変化を明らかにしてきており、今回の調査結果もその一環。


それによると、学校でICT機器を使う頻度を聞いたところ、約3割が「週5日(ほぼ毎日)」、約2割が「週3~4日」と回答。小4~6生の利用頻度が高く、高校生は低かった。


学校でICT機器の利用が増えていることに対して、子どもたちがどのような意識を持っているのかを尋ねたところ、約8割が「ICT機器を使う授業は楽しい」、約6割が「ICT機器を使う授業を増やしてほしい」と回答。多くの子どもが前向きにとらえていた。

「楽しい」という実感には成績による差がみられず、成績下位層の子どもも全体の割合と同じ程度、ICT機器を使った授業を楽しいと感じていた。


また、ICT機器の利用頻度が高い子どもほど、ICT機器を使った授業が楽しいと回答する傾向がみられた。


ICT機器の利用方法については、「学習内容について調べる(調べ学習)」が9割弱(87.1%)で最も多かったが、「自分の考えをまとめて発表する」「グループで考えをまとめて発表する」「友だちと考えを共有する」など協働学習での利用も6割を超えていた。

このほか、「考えたことや仕上げた課題を保存する」「学習したことをふりかえる」が半数を超えるなど、学習履歴を蓄積できるICT機器の良さを生かして、探究や振り返りを行っている子どもが多いことも分かった。

学校段階によってもICT機器の使い方が異なっており、小学生では「練習問題を解く」「プログラミングをする」「自分の考えをまとめて発表する」「友だちと考えを共有する」などが多く、高校生では「学習内容を暗記する」「テストを受ける」「先生に連絡する」が多かった。


また、ICT機器を学習に利用することでどのような効果や課題を感じているのか、を聞いたところ、7割以上が「学習内容について調べやすい」「学習内容が分かりやすい」「効率的に学習できる」「グループでの学習がしやすい」ことを実感していた。

これら以外にも、半数以上が肯定している項目がほとんどで、子どもたちはICT機器の利用を概ね肯定的に受け止めていた。こうした効果実感は学校でのICT機器の利用頻度が高い子どもの方が強く、使い慣れることが効果実感を高めるうえで重要なようだ。


その一方で、「目が疲れる」「インターネットにつながらなくて困ることがある」「ICT機器を壊してしまわないか不安」も5割を超えていた。また、3~4割が「深く考えて問題を解くことが減る」「学習以外のことが気になって集中できない」と回答しており、効果的に使えているかどうかにも留意が必要だ。


また、教員から「ICT機器の使い方」「情報の集め方・調べ方」「ルールやマナー」などの指導を受けている子どもほど、ICT機器の利用の効果を強く実感する傾向があった。


なお、授業中の取り組みで「パソコンやタブレットを使う」比率は、2020年の56.9%から21年は81.4%に急増しており、22年は86.4%とさらに増加している。

この調査は、全国の小学4年~高校3年生までの子ども(「子どもの生活と学びに関する親子調査」の調査モニター)を対象に、今年2~3月にかけて、郵送による依頼とWEB(パソコン・タブレット・スマホなど)による回答という形で実施した。有効回答数は9182人(小4~6年生3849人、中学生3097人、高校生2236人)。

調査結果の詳細

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