2017年8月1日
♪~マウス、マウス、パソコン・マウス~パソコン自分で作りマウス~♪
最近やけに耳に残るCMソングと言えば、アイドルグループのメンバーがネズミに扮して歌い踊る「マウスコンピューター」のCM。
♪~マウス~マウス~パソコンマウス~国内生産してマウス~♪というのだ。
なかなかよくできた訴求効果の高いCMだなぁ、などと感心していたら、「マウスコンピューターで、親子パソコン組立教室をやるんですが、取材にいらっしゃいませんか」とお誘いを受けた。こういうイベントは一度取材してみたいと思っていたので、渡りに船と参加を決定。7月29日の土曜日、中央道に乗って長野県飯山市を目指した。
午後1時前、工場に到着すると親子連れの参加者が続々と入り口から入っていくのが見える。今回参加したのは、31組の小学校6年生の親子。男子22名、女子9名の割合。長野県内をはじめ、東は東京、千葉、神奈川、群馬、西は大阪、三重、愛知など各地から集まった。
開会式は、マウスコンピューターの小松永門社長の挨拶と激励ではじまり、足立正則飯山市長の「豊かな自然とハイテクの街、飯山」の紹介、親子パソコン組立教室の勝山友和校長の挨拶と続いて、全員集合の記念撮影で終了。いよいよ工場に移動して組立作業の開始となる。
31組の親子は3グループに分かれて、「工場見学」「コンピューターのパーツの説明」「パーツのピックアップ」とローテーションする。
「コンピューターのパーツ説明」では、勝山校長が「CPU」「HDD」「空冷ファン」「水冷ファン」「ケーブル」「ビス」など主要パーツから細かなパーツまで、手に取って子どもたちの目の前に提示して解説してくれた。
「パーツのピックアップ」では、各自組立予定のパーツ表のバーコードをPCに読みこむと、パーツ棚のランプが点灯。その場所に置かれているパーツをボックスに入れて組み立てデスクに持って行く。
準備が整ったところで、モニターに映し出された「組立マニュアル」の読み方やドライバーの使い方に慣れるための「親子でトライアル」コンテスト。ここでは、ノートパソコンにいくつかのパーツを組み込む速さと正確さ、それにもっとも大切な「親子の協力」が問われる。
15分間のトライアルタイムが終了すると、いよいよ本番のスタート。普段は社員がパソコンを組み立てている作業台に、親子とマンツーマンで指導する先生役の工場スタッフがスタンバイする。
「親子パソコン組立教室」は、2010年から開催し今年で8回目になるイベント。マウスコンピューターの生産拠点である、長野県飯山工場で、最新のIT技術やパソコンに関する理解を深める場として例年好評だという。
マウスコンピューターの特徴であるBTO(Built to Order=カスタマイズ)と呼ばれる用途やほしい構成に合わせて部品を選択することができる仕組みを活かし「参加者自身でカスタマイズしたパソコンを組立てる」ことをメインテーマに、子どもたちにモノづくりの楽しさを感じてもらうだけでなく、欲しいパソコンをケース選びから構成まで親子で相談しながら選ぶことで組み立てる前から完成まで楽しめる内容になっているという。
組立開始前に、何組かの親子に作ったパソコンの利用目的などを尋ねてみると「動画の編集に使いたい。いろいろな映像を企画して作ってみたい」という男の子は、父親の話だと「YouTuber(ユーチューバー)」を目指しているのだという。別の男の子は、「とにかくマイクラ」だという。もちろんゲームをするのではない。Modsなどを使ってプログラミングをするのだという。父親も納得の上でのマイクラ研究のようだ。水冷ファンが装着されるハイスペックPC「DIVE」のパーツを前にした親子。父親は「私がハイスペックPCが欲しくてこれにしました。息子がこれから何に使うかは分かりませんが、スペックが高ければ何でもできるでしょ」と微笑む。工場見学で、懸命にメモをとっていた女の子、さぞかし明確な目標があるのかと思ったら「パソノン作ったら何をやりたいの?」という質問に、笑顔で首をかしげるのみ。今回の参加も父親が決めたとのこと。「今日がスタートです。これからどんどんパソコンを使って、世界を広げて欲しいです」と、父親の期待に女の子も頷いた。
さあ、いよいよ組立開始。制作する機種によって完成までの目安は20分から60分とまちまち。もちろん、完成までの速さを競うわけではないが、取り巻くテレビクルーや記者たち、サポートする工場スタッフの緊張感が会場全体を包み込んでいる。
このイベントのメインテーマは「親子の協力」。
20~30分ほど経過して「できました~」という声が掛かる。会場から自然に湧く拍手。
その後、次々にノートパソコングループから「できました~」の声が上がる。やはり、デスクトップの方が組立時間が掛かるようだ。
細かな作業を行う高度な集中力と精密機器を取り扱う緊張感で、完成後の子どもたちは疲労の表情を見せていたが、やり遂げた満足感を漂わせていた。
記者の息子が小学生だった20年前に、こんなイベントがあったら絶対参加していたのになあ。いや、あの頃はそんなこと思いつかなかったかな。などと自問自答しながら帰路についた。
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