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2017年11月9日
【寄稿】MESHを活用した理科「電気の働き」でプログラミング 岡山県早島小学校
【寄稿:現場発】
MESHを活用した理科「電気の働き」でプログラミング 岡山県早島町立早島小学校
新小学校学習指導要領で例示された理科「電気の働き」の学習において、MESH(SONY)を活用した実践が10月26日、早島町立早島小学校(岡山県都窪郡)6年生で行われた。
導入では、これまでの学習でコンデンサーやLEDの役割や特徴などを学んできた児童たちに、先生がただ歩いただけで回路の豆電球を点灯させてみせる。始めは驚いた様子の児童たちだが、日常の経験から人感センサーが使用されていることにすぐ気が付いた。先生がセンサーとタブレットを活用してプログラミングしていることを説明すると、「やってみたい!」という児童たちの意欲的な声が上がった。
初めてMESHアプリやセンサーを使うとなると、まずは先生が使い方を説明しなくてはならない。タブレットやセンサーは4人のグループに1セット配布されている。協働して活動できるメリットがあるが、操作が特定の児童に偏ってしまうことも懸念される。そこで先生は、全員にホワイトボードとMESHアプリの命令カード(プリントしラミネートし裏にマグネットを貼付)を準備した。これでまずは全員が、手元で仮想のプログラミングが体験できる。命令をつなぐときにはホワイトボード用のマーカーを使い、GPIOタグ、人感センサー、タイマーなどの設定を確認しながら、フローチャートのようなプログラムが完成した。その後、グループでタブレットを活用してプログラミングし、回路にGPIOタグを組み込んで、導入時に先生が披露したものと同じ仕組みを完成させることができた。
次に、先生は小学校のトイレの照明を想起させた。全員がセンサーで感知して点灯していることを経験している。ここで2本の動画を提示した。1本目は明るい昼間にトイレに入った時に照明が点灯しない様子、2本目は暗い夜にトイレに入った時に照明が点灯する様子。児童たちは、人を感知することの他に、明るさも感知していることに気付き、トイレの照明のプログラミングの課題に取り掛かった。ここでもホワイトボードを活用し、明るさセンサーや同時に2つの命令を受け取ったときのロジック「And」を加えたプログラミングを全員で確認していく。
ある児童がAndの命令のカードが一枚しか用意されていないことに気が付いた。先生は良い気付きであることを認め、なぜAndの命令を一つしか用意していないかを考えさせた。点灯は2つの条件(人を感知する、ある一定の暗さ)を満たさなければならないが、消灯はどちらかの条件が満たされない時であるからだという答えを導き出した。そしてタブレットを活用してプログラミングし、明るさセンサーを加えて実験の準備が整えた。教室の照明を落としてカーテンを閉めて、真っ暗な状態で実験スタート。人を感知すると点灯し、感知しなくなると消灯した。児童たちから完成を喜ぶ声が上がった。ここで更に先生から「明るくしたらどうなる?」の問い掛け。児童たちは即「点かない」と反応。カーテンを開けて明るい状態にして、再実験。人を感知しても点灯しない。2つの条件を満たしていないからだと確かめることができた。
授業の最後に、「トイレの照明の仕組みが分かった」「プログラミングってすごい」「お店に入ると音が鳴るのもプログラミングだ」などと子どもたちは今日の学習を振り返った。自動ドアや信号機、エスカレーターなど身近にセンサーを使ったプログラミングがあることにも気付いた。先生から「なぜ様々なものがプログラミングされているのか」と問われると、「便利だから」「放っておくと大変になるから」「節電のために」と発表が続いていく。そして次の学習では、「トイレの照明のプログラミングは本当に節電になっているのかを確かめる」という課題が決定した。児童たちの学習意欲はますます深まっていった。
(寄稿者:岡山県総合教育センター 浅野雄一)
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