2015年6月29日
愛和小学校/クラウド+EdTech+マルチデバイス=i和design
東京都多摩市立愛和小学校は27日、ICT CONNECT 21などの後援で、総務省の「先導的教育システム実証事業」で取り組んできた実践例を紹介するイベント「i和design公開プレゼンデーション」を開催した。
1人1台iPadの実現や積極的なEdTechの活用でICT教育を推進してきた愛和小学校だが、今回の「i和design」は、次のステージ「クラウド+EdTech+マルチデバイス」へと進化していた。
玄関で来訪者を迎えてくれたのは、今話題の「pepper」だった。
松田孝校長が目指す教育の基本姿勢である、「20年後の世の中がどうなっているのかを考えた上での教育」「急激な変貌をとげる社会に対応できる人材の育成」の一環として、時代の最先端に触れるのが狙いだ。
「猫型ロボットを作るのが夢」だという大畑貴弘社長のリアルグローブが、pepper遠隔操作アプリ「Black pepper」紹介のために展示したもの。
午前中の公開授業も、「1人1台iPad+EdTechの活用」から大きく進化していた。
2年生の教室では、「はーいドラえもん出してー」という教師の声で机の上に一斉に出されたのは、青いカバーの付けられたWindowsタブレットだった。タッチペンの付いた東芝の「dynabook Tab S80」で、2年2クラスに60台導入した。
公開授業1週間前の金曜日に配付されたばかりということだが、子どもたちに戸惑いは見られなかった。「ぜんぜん(iPadと)変わらないよ」と使っていたのは、授業支援アプリ「スクールタクト」。
昨年から利用しているこのアプリは、総務省の「先導的教育システム実証事業」が提供しているクラウドからマルチデバイスで利用することが出来るため、教室で使用する端末を選ばない。
6年生の教室では、「Chromebook」が使われていた。「Chromebook」は、「Google Chrome OS」を搭載しているノートパソコン。「Google ドライブ」というオンライン上にファイルを保存するので、本体にはデータも個人情報も残らないため、セキュリティーに優れている。また、各種ソフトウェアーをインストールする必要が無いため、端末が廉価なのも教育現場で導入しやすいとされる。
「クラスのお気に入りマップを作ろう」と題した学級活動の授業では、Google マップに自分のお気に入りの場所を登録し、その理由を発表し合った。
その他、デジタルポケットの「ビスケットの『さわる』機能を使い、プログラムを動かそう」、Vilingの「プログラミングを学ぼう」、アフレルの「プログラミングを組み立ててEV3を動かそう」といった、プログラミング授業も公開された。
「教育版 レゴマインドストーム EV3」のプログラミングには、今月正式公開されたiPad用「EV3プログラミングアプリ」が使われ、授業が進めやすくなった。
午後からは、総務省 情報流通行政局 情報通信利用促進課 元山和久振興係長による「教育の情報化に関する総務省の取り組みについて」と題した講演や、パネルディスカッション「教育現場のニーズを、EdTechはいかに解決できるか?」などが行われた。
下校時刻にpepperのいた玄関に行ってみると、今度はドローンのデモ会場となっていて子どもたちが歓声を上げながら、コントローラーを順番に握りしめていた。
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