2018年6月20日
ICT教育議連の国会議員が天沼小学校でプログラミング体験&授業視察
みんなのコードは19日、「教育における情報通信(ICT)利活用の促進をめざす議員連盟(ICT教育議連)」の議員を招き、先進的なICT教育を実践する東京都杉並区立天沼小学校で、「プログラミング教育実践授業」の視察、体験会を開催した。
参加したのは7名の議員で、授業視察前にプログラミングを体験。「Hour of Code」の小学校低学年用のプログラミングツール「ANGRY BIRDS」に挑戦した。初めてということもあり、「曲がるだけじゃだめか」、「向きを変えて、前に進む、か」、「動かない」など戸惑いの声もちらほら。しかし中には、「文字で書かれたコードも見れるんですね」と、ブロックを使ったプログラミング言語のソースコードまで辿り着く議員も。
「1プレーごとに指示を出さないとダメなんだ」という声に、メンターを務めた、みんなのコードの利根川 裕太代表理事が「細かく指示を出さないと、してくれませんからね」と言うと、「微妙な表現だな」などとのやりとりに笑い声が漏れ、和気あいあいの雰囲気でプログラミング体験は終了。全員に、修了証が授与された。
天沼小学校は杉並区の研究指定校としてICTの活用に永年取り組んでおり、全教室に無線LANや大型提示装置を設置、4年生以上には1人1台タブレットを導入し、日常的に活用して文房具のひとつになっているという。
松野泰一校長はプログラミング教育の進め方について、「情報教育を進めていくのは“プログラミング的思考”と“情報モラル”。PとMです。プログラミング的思考がアクセルだとすれば、情報モラルはブレーキです。アクセルは踏み込んだらどんどん行こうとしますが、暴走したら大変です。だから、“情報モラル”というブレーキは欠かせません。発想と実現の間にあるプログラミング的思考を育てるため、1年生から6年生まで、PCだけで無くアンプラグドも活用して学習しています。もちろん“情報モラル”教育についても1年生から行っています」と、計画的な取り組みを紹介した。
議員たちがこの日視察したプログラミング授業は、6年2組の総合的な学習の時間で中島寛人教諭がおこなう「プログラミングをして、ロボットを動かそう」。レゴのプログラミングロボット「WeDo2.0」を使ったグループワーク。
本時のねらいは、これまでの時間で作成した計画書に基づいてロボットを完成するというもの。2~3人のグループで、センサーの働きを利用して課題を解決するロボットを作っていく。中間報告では、「思っていたよりも作るのが難しくて困っている」、「アラームを設定したいんだけど“秒”しか入力できないので設定が分からない」という相談タイムや、他のグループのアイデアや進捗状況を確認し合う時間も設定され、クラス全体で課題を共有している姿が覗えた。
視察した議員は、「ここまで作るのにどれくらいかかったの」とか「難しいのはどんな所だった」などと声を掛けながら、子どもたちの作業を覗き込んでいた。
動作の発表では、「物を運ぶロボットなんだけど、一緒に床掃除も出来るようにしました。障害物があると、止まります」と紹介したグループのロボットが、実際に壁の手前でピタリと止まると、教室からは「お~っ」という歓声が湧いた。
参加したICT教育議連の議員たちは、子どもたちがいきいきとICTを活用してプログラミングに取り組む姿を目に焼き付け、今後のICT教育推進に尽力してくれることだろう。
後列:朝日健太郎(参)、古川 康(衆)、穂坂 泰(衆)、浅野 哲(衆)、利根川代表
前列:西岡 秀子(衆)、大見 正(衆)、中川 正春(衆)、松野校長、馳 浩(衆)
*(衆):衆議院議員、(参):参議院議員
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