2019年12月16日
ミクシィと渋谷区立鉢山中学校が連携しプログラミング講座を開催、図形アートに挑戦
ミクシィと渋谷区立鉢山中学校は14日、両者の連携によるプログラミング講座「プログラミングで図形アートチャレンジ」を、渋谷区こども科学センター・ハチラボで開催した。
渋谷区に拠点を構える東急、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、GMOインターネット、ミクシィと、渋谷区教育委員会の6者によって次世代に必要な資質・能力を持った人材を渋谷から輩出する土台作りを進めることを目的に6月に締結された「プログラミング教育事業に関する協定」に基づく官民連携による「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」 としての取り組み。
理数教育重点校に指定されている鉢山中学校の放課後のクラブ活動として1、2年生約25名が参加し、10月から2020年3月までの間に合計6回実施される連続講座の4回目で、これまでの学びをいかし、時間を120分に拡大してアート作品制作に挑戦した。
冒頭、ミクシィの現役エンジニアである田那辺講師が「みなさんは、漫画って好きですか?アニメって観ますか?」と明るい声で語りかけると、生徒たちが「大好きー」「観ます」と口々に答えて会場が盛り上がる中、講座がスタート。「かつては手書きであったアニメも、現在ではCG(コンピュータグラフィックス)になっています。今回の講座ではプログラミングの視点で画像データについて解説していきます。」と続けると、生徒たちの熱量が一気に高まり、話に引き込まれている様子が伝わってくる。大画面に映し出されたゲームの背景画像を徐々に拡大し、画像が荒くギザギザになる様子や、さらに拡大を続けていくと表のように並ぶドットになることを実際に見せて画像情報の単位を解説する。画像解像度やRGBによる色情報の表し方、コンピュータの座標など少し難しい内容にも言及したが生徒は熱心に耳を傾けていた。
そしていよいよ実習が始まった。はじめに、プログラミング体験ソフトの作図方法が解説され、画面に点(ドット)を打つ練習をする。座標を指定し思ったところにドットを打つ作業に生徒が没頭する。ドットの次は、直線、円、折線、曲線と長時間の実習が続いた。講師の解説後に、課題図形が配られ、それらに集中し制作を続ける様子が印象的であった。
課題実習をすべて終えてオリジナルアート作品作りが行われた。豊かな発想で、漢字を曲線と直線で表現したり、ゲームのキャラクターや複雑なマークを描いたりと、思い思いの作品が制作されていた。
生徒は4、5名が1つのテーブルに席を並べており、講師や教諭が各テーブルを回って声をかけていく。講師と生徒間の距離は非常に近く、「先生!できた、みてみて!」「おお、いいねー。」といったにこやかで活気のあるやりとりが続いていた。また「このパラメータを変えると色が変わるよ。」など生徒どうしでアドバイスをしあう様子も見受けられた。
完成すると作品は印刷されて拍手とともに生徒に手渡されていた。作品の印刷物を手にした生徒は「講座はいつもとても楽しい。もともと理数系が好きだから参加を決めた。将来はゲームを開発したい。講座では少し難しいこともあるけれど、とてもためになる。」と目を輝かせていた。
鉢山中学校の松澤教諭は、プログラミング講座を始めたきっかけは、1つには理数教育重点校であることだが、もう1つ、1年生のひとりが4月にプログラミングクラブの創設を直訴したことも大きいと語った。なんとかして実現したいと「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」で教育委員会を通じてミクシィに働きかけ、短期間でこの連続講座を立ち上げた。開講前には教諭自ら講座への期待を込めた動画を制作して、生徒らを盛り上げ、モチベーションアップにも力をいれてきた。いざ開講してみると、生徒の理解度、関心は想定をはるかに超えており、レベルも非常に高くなってきている。教科では想定を超えるということはあまりないことなので非常に嬉しい驚きであると笑顔を見せた。
連続講座では、ミクシィが開発したオリジナルの「プログラミング体験ソフト」を使用している。テキストベースのプログラミングを行えるスクリプトウィンドウと、コード入力支援ウィンドウの両方を備えている。慣れている生徒は、直接キーボードからスクリプトウィンドウにテキストを入力し、不慣れな生徒は画面のボタンをタッチすればスクリプトウィンドウにテキストが自動入力されるようになっている。入力されたテキストのパラメータをキーボードから修正するなどして、徐々にテキスト入力にも抵抗がなくなっていくという。
田那辺講師は、講座の講師だけでなく「プログラミング体験ソフト」の開発、カリキュラム策定も担っている。講座を通じて楽しくて簡単な操作でストレスなく「テキストプログラミング」を身につけてもらえることを目指している。より実戦に近いため「テキストプログラミング」が重要だという。生徒たちにエンジニアという職種を身近に感じてほしいし、その楽しさを伝えたい。実際に、学んだ生徒たちが将来エンジニアやプログラマーとなって活躍する様子を早く見てみたいとプロジェクトへの想いを語った。
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