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2025年6月4日

中高生の約7割が疲労を抱え、スマホ長時間使用で就寝時刻が後退 =日本リカバリー協会調べ=

日本リカバリー協会は3日、ベネクスと共同で、全国の幼稚園~高校生の保護者3212人を対象に調査を実施し、その結果をまとめた「ジュニア年代のリカバリー白書2025レポート Vol.1」を発表した。

同調査は、運動・栄養に続く健康の3要素である「リカバリー」(休養・抗疲労)に着目し、特にジュニア世代の実態を明らかにするために実施した。

それによると、幼稚園児~高校生までの疲労状態は、年齢の上昇に伴い疲労度合が増加し、幼稚園児では69.5%が「元気」な状態を保っているのに対し、この割合は学年進行とともに減少し、中学生では30.8%まで低下した。

また、「何らかの疲労を感じている」生徒の総数は、幼稚園児の30.5%から中学生では69.2%まで増加し、高校生でも65.8%と高い水準を維持している。中高生の約7割が疲労を抱えており、現代の教育環境における児童・生徒の心身への負担が、特に思春期以降に顕著になることを示唆している

睡眠時間の減少も、年齢の上昇とともに顕著に表れている。幼稚園児では9時間以上の睡眠を取る子どもが74.7%を占め、特に10時間以上眠る子どもが40.8%と最も多くなっているが、学年が上がるにつれて睡眠時間は徐々に短縮。中学生では7~8時間が37.8%と最多となり、6時間未満の短時間睡眠も3.7%存在した。

高校生になると状況はさらに深刻化。6時間未満の睡眠が13.2%まで増加し、最も多い層は6~7時間の36.6%だった。7時間以上の睡眠を確保できている高校生は全体の50.2%にとどまり、十分な睡眠時間を確保できていない実態が明らかになった。

一方、休日になると全体的に睡眠時間の増加が見られた。特に高校生の変化が顕著で、平日に6時間未満の短時間睡眠だった13.2%が休日には4.4%まで減少し、8時間以上睡眠を取る生徒も59.3%に達した。平日の18.3%と比べると大きな改善を示している。

中学生も同様に、平日は6時間未満の睡眠が3.7%存在し、7~8時間が最多だったが、休日には8~9時間が35.8%と最も多くなり、全体的に長時間化した。一方、幼稚園児や小学生の睡眠パターンは平日と休日で大きな差が見られず、比較的安定した睡眠時間を確保できていた。

また、年齢が上がるにつれて就寝時刻が遅くなり、それに伴い睡眠時間も短くなり、幼稚園児と小学生低学年では21時台の就寝が最も多く(それぞれ53.0%、60.0%)、9時間以上の十分な睡眠時間を確保できていた。

中学生になると22時台(47.4%)、高校生では23時台(41.8%)の就寝が最多となり、24時以降の就寝も高校生では30.8%に達した。この遅い就寝時刻が、中高生の睡眠時間短縮の主要因になっており、特に高校生では6時間未満の睡眠が13.2%存在する背景として、24時以降の遅い就寝が大きく影響していることが分かった。

一方、休日になると全体的に就寝時刻が後ろにシフトし、特に中高生では顕著になる。高校生では24時以降の就寝が39.4%(平日30.8%)まで増加し、特に25時以降の就寝が11.4%(平日6.8%)と大きく増加。しかし、起床時間も遅くなることで、結果的に睡眠時間は平日より長くなり、8時間以上の睡眠を取る生徒が増えている。

また、年齢が上がるにつれて学習時間の長時間化と、学習する生徒としない生徒の2極化が進むことも分かった。幼稚園児では、約70%が「ほとんど学習時間がない」状態で、小学生になると学習時間は大きく増加した。

中学生では「ほとんど学習しない」生徒が20.1%である一方、1時間以上学習する生徒が45.6%(1~2時間28.9%、2~3時間12.2%、3時間以上4.5%)を占めており、学習時間の格差が明確に。

高校生になるとこの2極化がさらに進み、「ほとんど学習しない」生徒が38.0%と大幅に増加。一方で、1時間以上学習する生徒も42.7%(1~2時間25.1%、2~3時間13.2%、3時間以上4.4%)と高い水準を維持している。

スマホ・携帯電話の使用時間も、年齢が上がるにつれて大きく増加するが、幼稚園児でも36.3%が使用をしていることが分かった。小学生になると学年進行とともに使用時間が増加し、低学年の46.4%から高学年では76.7%まで割合が増加。

中学生になると大きな転換点を迎え、3時間以上の使用が19.4%、2時間以上が合計48.1%と急増。高校生では、3時間以上使用する割合が41.4%まで上昇し、スマホの長時間利用が一般化していることが分かった。

この調査は、スクール運営のDXプラットフォーム「Sgrum」(スグラム)に登録している保護者を対象に、3月31日~4月10日にかけてインターネットで実施した。回答対象のサンプルは、「幼稚園」449人、「小学生(低)」468人、「小学生(中)」592人、「小学生(高)」670人、「中学生」738人、「高校生」295人の計3212人。

調査結果の詳細

関連URL

「Sgrum」

ベネクス

日本リカバリー協会

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