2014年3月6日
中央大学/「White Gate プロジェクト」報告会を開催
中央大学White Gate プロジェクトは5日、3年目を迎えたプロジェクトのまとめのシンポジウムを、『読むだけの電子書籍から考える電子教科書へ』をテーマに多摩キャンパスで開催した。
2010年度に電子書籍の教科書としての利用について、大学で取り入れられるかどうかを検討するために始まったWhite Gate プロジェクトはその後、書籍にリッチメディア系のコンテンツも加えて貯蔵する「デジタルコンテナ」を模索するようになった。
White Gate プロジェクトの歩みについて紹介した、中央大学商学部の斎藤正武准教授は「プロジェクトの試みは、創作環境・貯蔵環境・視聴環境のシームレスな提供であり、そのためにWhite Gate専用アプリの開発、Chuo-commonsの導入、サーバーの設置、学生へのiPadの貸し出し等に取り組んできた」とこれまでの経緯を語った。更に、映像・画像・音声・テキストなどの二次利用で懸念される著作権問題にも取り組み、実験段階とはいえ「デジタルコンテナ」の利用環境は整いつつあるとした。
「電子教科書の動向~EDUPUBEを中心として~」と題して講演した上智大学情報工学科の田村恭久准教授は、電子教科書の技術仕様の定まらない現状やアクティブラーニングを支援し「考えるための電子教科書」のあり方について考えを述べた。
技術仕様について田村准教授は、「仕様を標準化することが重要であり、規格類を国際規格に整合することで国際市場に対応できる」とし、電子書籍の規格の一つである「EPUB」をベースに電子教科書の要件を考慮した「EDUPUB」が世界標準として注目されていると語った。
また、電子教科書のあり方については「電子教科書は、紙の教科書を電子化しただけのものでもなければ、教師の授業設計を縛りつけるものでもない。電子教科書は、アクティブラーニングを支援してデジタルネイティブな学習者と指導する教員双方の情報発信、コミュニケーションなどを促すものだ」として、電子教科書の「機能要求72項目」などの条件を提示した。
最後に、White Gate プロジェクトの今後について中央大学情報環境整備センターの渡邉純一副部長は、「中央大学情報化のための4つのキーワード、学生が自分でPCやPadを持ち込む『パソコンのないパソコン教室』、電子図書館で実現する『本のない図書館』、アクティブラーニングや反転授業でつくる『教室のない大学』、国際的なハブとなる大学をつくる『国境のないキャンパス』を、デジタルコンテナ「White Gate」でサポートして、『学生ポータルサイト』の実現を図りたい」と、プロジェクトの将来像を語った。
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