2017年12月4日
佼成学園、奈良の中学校とネットを使った遠隔授業で「ビブリオバトル」
佼成学園中学校・高等学校は28日、中学3年の国語科の授業で、奈良県生駒市立光明中学校2年生の教室とインターネットで繋いで互いの会場の画面に投影し、知的書評合戦「ビブリオバトル」の研究授業を開催した。
ICTを活用した授業が浸透し、遠隔授業の可能性も探っている東京の佼成学園と、生駒市というビブリオバトルの盛んな地域で多くの経験を積んできた光明中学校が、オンラインでビブリオバトルを行い、「異文化交流」をするという新しい試み。
「ビブリオバトル」とは、子どもから大人まで開催できる本の紹介コミュニケーションゲームで、「人を通して本を知る.本を通して人を知る」がキャッチコピー。
ビブリオバトル開催の公式ルールは、「発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる」「順番に一人5分間で本を紹介する」「それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う」「全ての発表が終了した後に『どの本が一番読みたくなったか?』を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする」という4つ。
今回は授業時間の中で行うため、本の紹介時間を3分間とした「ミニ・ビブリオバトル」で実施した。
両中学校からの発表者はそれぞれ3名ずつ。1人目のバトルで両者がいきなり同じタイトル「君の膵臓を食べたい」でバッティングしてしまったが、「死について考える視点」と「生について考える視点」の違いがあって面白い発表となった。
その後、「夕星の下、僕らは嘘をつく」、「ジョーカー・ゲーム」、「のぼうの城」、そして最後は「スマホを落としただけなのに」。
発表後の投票で「チャンプ本」となったのは、佼成学園中学の土橋 元さんの「スマホを落としただけなのに」に決定した。最近起きた事件をつかみに使い、スマートフォンを落としただけで悪辣なハッカーによって個人情報が暴かれていくストーリーを紹介。「スマホ・SNS・個人情報」といった、現代の情報セキュリティーの危うさを3分間で表現した。
土橋さんは普段、ほとんど本は読まないということだが、今回のビブリオバトルに備え、発表内容を書いて、読んで準備したという。
中継相手の光明中学校の生徒たちは、読書量も多くビブリオバトル慣れしているようで、「同じ作者の別の推薦本は」という質問に躊躇無く作品名や内容を答えられたり、小説のテーマや時代背景の捉え方などに読書経験の深さを感じさせた。
しかし、緊張のため普段は関西弁で行う発表が標準語になってしまったと反省、「次は関西弁でやるからね~」と、次回のリベンジを誓っていた。
今回の遠隔授業では、特別なテレビ会議システムなどは使用せず、SkypeやiPadのFaceTime、教師たちの手作り機材などを使い、機材購入や交通費は東京都私学財団の研究助成を受けて実施したという。
遠隔授業によるビブリオバトルは、「本を読む」「プレゼンテーションをする」「交流する」という一石二鳥にも三鳥にもなる可能性を感じ去るものだった。
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