2019年3月19日
ロイロノート、広島城北中・高で新機能「シンキングツール」活用セミナー
LoiLoは3月16日、広島城北中・高等学校で教育関係者を対象とした「ロイロノート・スクールセミナー」を開催した。
会場となった広島城北中・高等学校では、2018年10月から中学1年生全員がiPadを使用し、ロイロノート・スクールを学習の様々な場面で活用している。セミナーでは新しくリリースされる「シンキングツール」の体験とともに、近隣およびICT教育に関心の高い学校関係者との情報交換や、今後の連携も目的とした活動が行われた。
当日はセミナー開始時刻の30分前から初心者講習会が開催され、参加者2~3名が着席するテーブルに城北中学校の1年生1名がメンターとして参加。ロイロノート・スクールの操作方法などを指南した。
全国で開催されているロイロノート・スクールセミナーでも、生徒が初心者講習に参加するのは初の試みだという。参加者だけでなく、ロイロのスタッフや同校教員からも関心が集まった。
初心者講習および本講習での最初の課題は、ロイロノート・スクールを使った自己紹介。氏名・学校名・担当教科、「広島と言えば?」に対する自身の思い、おすすめの飲食店を記載した”カード”を作成しながら操作方法を学んだ。
カードはテキストだけでなく、画像や音声、動画などの資料を追加できる機能を持ち、参加者は様々なスタイルのカード作成に取り組んだ。はじめてのロイロノート・スクール にとまどう参加者は、メンターの中学生がサポートした。
完成後、参加者はカードをスライド表示させながら複数の参加者と自己紹介を行った。この日は広島県内だけでなく山口や関西方面からの参加者も多く、各地のユニークな紹介が交わされた。
参加者はメンターの中学生とも自己紹介を行い、アプリを使い慣れた生徒たちが作成したスライドに、多くの質問を投げかけた。また同セミナーには広島城北中・高等学校の教員も参加し、授業での活用方法や管理方法など活発な情報交換が行われた。
ワーク2では、広島城北中・高等学校の尾原達哉教諭が講師となり、模擬授業を兼ねたグループワークが実施された。参加者は同じテーブルのメンバーとチームを作り、「旧広島市民球場跡地の活用方法」をテーマにロイロノート・スクールを使ってプレゼンテーションを作成。
ここでは新しく導入された「シンキングツール」を使って、メンバーの意見をより魅力あるアイデアへとまとめていくことが求められた。
シンキングツールは個々に集められたアイデアを整理し、優先順位をつけ、俯瞰することで「自分の考えを作り出す」機能。自身の考えを仲間と共有し、協働することでより高い次元でのアイデアを形成することをサポートする。
各チームとも「大仏の設立」や「老人ホームの建設」といったテーマを掲げ、「なぜそれが必要なのか」といった理由を、シンキングツールを使ってより説得力のある内容にまとめた。
休憩後、生徒は退出。ワーク3では参加者が宿題としてワークシートに作成してきた授業デザインを、個人・グループ・分科会へと規模を大きくしながらブラッシュアップした。
ワークシートをロイロノート・スクールへ転載していく際に重視されたのは、学習目標と指導過程を明確にすること。直感的にマインドマップを作成できる新機能「シンキングツール」を使い、生徒の理解と能力を効率的に向上させる授業案が作成された。
チーム内で情報を共有し、それぞれの授業案に対する意見交換を行った後、参加者は教科ごとに分かれて分科会を実施。それぞれの授業でロイロノートをどのように活用し、これまでの課題を解決していくかについて話し合った。
中学校数学の分科会では、参加者の多くが余弦定理など証明の問題にロイロノートが活用できるとの見解で一致。「問題を解くこと」ではなく、数学においてより重要な「過程への理解を深めるのに役立つ」と述べた。また実際の授業において役立つシンキングツールやカードの使い方など、活発な意見交換が行われた。
広島城北中・高等学校の教諭からは、同校における授業での実践例や、教科における独自の活用方法なども紹介された。
模擬講義を担当した同校尾原教諭は、レポート課題の提出や、授業で使用したプレゼンテーション資料の共有など、日頃から積極的にロイロノート・スクールを活用。導入以前も生徒の表現力を広げる取り組みは行っていたものの、導入後はさらに多様な視点からアイデアを構築できるようになったと話す。
参加者の一人、広島修道大学付属鈴峯女子中学校・高等学校教諭の平岡美紀教諭は、31年度からの自校でのタブレット導入に対し、「ロイロノートの魅力を知れただけでなく、生徒が授業でタブレットを使用することへの不安が解消された」と話す。
授業での活用例だけでなく、使用を開始した当初の話を生徒から直接聞けたことで、教員が考えている以上に生徒たちは早く使いこなせるようになるとの確信を深めた。
参加者からは「授業デザインに新たな可能性を感じた」、「知識理解に偏った授業から、思考を軸にした授業展開に希望が持てた」といった感想が寄せられた。
導入校にはアクティブラーニングのメンターとして関係各所との情報共有と連携が、教育現場のIT化を担う教員には「学び方」に対する意識改革が求められている。(取材:黒田 靜)
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