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2019年9月12日

凸版印刷、早稲田大学とVR活用の有効性を検証

凸版印刷は、早稲田大学理工学術院の河合隆史教授の研究室と、立体視映像(3D)化技術を使用した文化財の新たな鑑賞方法について共同研究を実施してきたが、11日、この研究から文化財VRコンテンツの鑑賞が、鑑賞者自身の文化財に対する「見方」を変化させ、興味や関心が促進されることを検証したと発表した。

今回の研究では、これまで蓄積してきた知見や技術をVRに適用し、文化財VRコンテンツの鑑賞者に与える影響について検証を行った。特に、文化財のVR表現による興味や関心、理解などへの影響を実験的に検証することで、文化を伝達するコミュニケーションメディアとしてのVRの有効性を評価することを目的とした。

そのために、凸版印刷が多くの文化財VRコンテンツを制作・公開してきたシアター型のVR表現を対象に、VRの鑑賞前後に日本文化の特徴を含む静止画像を呈示し、「見方」や主観的な好ましさがどのように変化するかを測定・解析した。

視線計測の結果から、VR鑑賞後は画像に含まれる特徴領域への注視時間の延長が認められた。実験後のインタビューからも、VR鑑賞後に和服や食器のテクスチャに気づいて見るようになったという意見が聞かれた。さらに、質問紙の回答結果からは、VR鑑賞後の静止画像に対する興味深さの上昇が認められた。また、鑑賞したいVRコンテンツの対象物以外の文化的類似性を有した文化財への興味や関心を増進させる波及効果も認められたという。

今後は、VRコンテンツを文化財への興味や関心を増進させるツールとして、文化の魅力発信や観光コンテンツなどに活用し、訪日外国人などに対して日本文化の理解向上を促進することに応用していくという。

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