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2021年2月16日

「知る」と「創る」を連動し、学びを実社会とつなぐ~「未来の教室」2019年の挑戦と、2020年の進化 /坂城高校

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2019年度、すららネットは経済産業省「未来の教室」プロジェクトに長野県坂城高等学校と共同で取り組み、地方の公立スタンダード高校における「個別最適化」学習にチャレンジした。(1)⽣徒の“学習⽣産性”の向上(2)教員の”指導⽣産性”の向上(3)⽣徒の”学習意欲”の向上を目的とし、2019年9月から2020年2月まで1年生全75名が「すらら」で英数国3教科に取り組んだ。

教室での学習の様子

坂城高校における「自立学習」に向けた取り組み~2019年度の挑戦

授業中に生徒⼀⼈ひとりが自分のペースで学習に取り組んだ結果、期間中に英語では最長で15時間33分、全生徒平均で9時間10分、学習に取り組むことができた。個人間のばらつきが大きいものの、「すらら」の活用により、一つの単元を習得するのにかかる時間を短縮することもできた。数学の授業では、単元学習の前に「すらら」で自動作問、自動採点できる「⼩テスト」を実施し、その結果に基づいて、習熟度別のグループ分けを⾏った。

協働学習に取り組む様子

「小テスト」受検後は、それぞれのグループに適した課題を配信することで、難しすぎて課題に全く⼿がつかない⽣徒や、簡単すぎて⼿持ち無沙汰になる⽣徒がいなくなった。さらに、時間に余裕ができ、⽣徒間で学習内容について話しあう場⾯が授業中に⾒られるといった効果が表れた。教員は、生徒一人ひとりの取り組みを把握できる「リアルタイムモニター」を活用しながら、授業中の取り組み状況をチェックし、必要に応じ声をかけ、個別に指導することで、分からない所を質問できるようになった生徒や、自分で調べて学習を進めることができるようになった⽣徒も現れ、受け身ではなく、主体的な学習への進化が見られた。

ICT導入により生徒の新たな一面が見えることも~2019年度の気づき

教員は「すらら」の自動課題配信機能や自動⼩テスト配信機能などを活⽤することにより、授業準備にかける時間が⼤幅に減少した。これまで手作りしていたプリントの作成と採点、毎時間の単語・演習プリント作成や印刷を「すらら」で置き換えることができた、といった効果が表れている。

英語科 小木曽一希先生

生徒からは「わかるようになった」「集中できるようになった」という声が上がった一方で、勉強に苦⼿意識をもつ⽣徒も多い中、学習すること自体に生徒が興味関心を持つための取り組みの重要性に気づくことができた。

坂城高等学校英語科小木曽先生は、「昨年度は、本当に大きなチャレンジと変化の年でした。ICTがそれほど整っていない環境から、一人ひとりが一台のChromebookを持って学習に活用する環境となったことは、本校にとって大きな変化でした。これまでの授業の中では取り組みが目立たなかった生徒が、Chromebookを活用するようになり驚くほど積極的に課題や家庭学習に取り組んでいることに気づくなど、ICTの導入によって生徒の新たな一面や可能性を知る機会となりました」と2019年度を振り返った。

「知る」と「創る」を連動し、学びを実社会とつなぐ~2020年度のチャレンジ

2019年度の取り組みを受け2020年度は、学校、ライフイズテック、すららネットの三者協働で実証事業を開始した。ライフイズテックは「企業の課題を解決するWEBページを作る」というプロジェクトに取り組んでいる。従来学校で独自に取り組んできた「坂城学(地元企業訪問を中心とするキャリア教育)」をさらに進化させ、地元企業の課題解決に貢献するというCPBL(Creative Project Based Learning)の取り組みだ。

実は、この協働プロジェクトにおいて「すらら」国語が重要な役割を担っている。ライフイズテックが進めるCPBLに必要な知識、技能の習得を支える論理力の養成だ。「すらら」の国語教材に取り組むことにより、企業訪問時の質問項目の作成や読み手に幅広く理解される表現方法の提示、WEBサイト上でのわかりやすい文章構成を目指すことがねらいだ。「すらら」国語は「主語と述語の関係」からはじまり「修飾語と被修飾語」といった文の構成要素についてインプットとアウトプットを繰り返しながら学ぶ。学習は一人ひとりの理解度に合わせ個別最適化されるので、自分の苦手な部分を強化することができる。その結果、小説や小論文を正しく理解できる論理力をはぐくむ。アウトプット(書くこと)のためには、お手本となる様々な文章のインプット(読むこと)が不可欠だ。「すらら」国語で培った論理力をベースに、企業訪問時に企業担当者と適切なコミュニケーションを図り、その結果導き出した企業の課題を的確に表現し、WEBサイト上で展開していくことが今年のテーマの一つである。

アウトプットを通じて初めてインプットの重要性に気付く~2020年度の気づき

利用している教材のイメージ

坂城高等学校国語科小玉先生は、「個別最適化が実現されている『すらら』では、生徒一人ひとりに沿って『わかる』という実感を積み上げられ、講義型の一斉授業よりも学習効果の大きいことは確かです。一方で、大学進学よりも就職志向の高い本校においては、知識のインプットだけでは学習する意義は感じられず、意欲は向上しない。生徒は得た知識をアウトプットする体験をしてみて、初めてインプットの重要性を感じられます。そのためPBLにおけるヒアリングやWEBサイト制作というアウトプット学習において、『すらら』で学んだ知識が『使える』ものだ、と気づくように、学習意欲を引き出そうという狙いを持って授業を設計しています。」と意気込みを語った。

経済産業省「未来の教室」「すらら」X「坂城高等学校」 地方の公立スタンダード高校における主要3科目での個別最適化学習の実現

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