2021年9月27日
日本財団、AI認識による手話学習ゲーム「手話タウン」をリリース
日本財団は22日、AI 認識による手話学習ゲーム「手話タウン」正式版を公式リリースしたと発表した。同財団は、国連が定めた「手話言語の国際デー」である9月23日に合わせて、同ゲームを開発・リリースした。
同ゲームは、ICT を活用してより身近に、より気軽に手話の学習が始められる教材として、同財団と香港中文大学が共同で開発を進め、Google および関西学院大学の協力のもと完成したもの。5月にはベータ版をリリース。約 8500 人が利用したフィードバックに基づき、改善を重ねた。
「手話タウン」は、ICT や AI による手話認識技術を搭載。通常は平面のみしか認識しない一般的なカメラを使い体の動きや表情、うなずき、口形等の特徴を含めた立体的な手話の動きを認識する認識モデルを開発した。ゲーム内では、手話が公用語の架空の町を舞台に、カメラに向かって実際に手話でアイテムを指示しながら、旅行に備えて荷物をまとめたり、宿泊するホテルを探したり、カフェで注文をしたりするなど、様々なシチュエーションに沿った手話をゲーム感覚で学ぶことができる。また、手話に触れたことがない人から日常的に手話を使う人まで幅広く対象としており、手話の習得のみならず、手話を第一言語とするろう者の文化についても理解を深めることができる情報をゲーム内にちりばめている。
手話は、ろう者が意思疎通を図るために使用する言語であり、ろう者の社会参画を促進するためには、手話で生活ができる環境が不可欠である。2006 年に国連障害者権利条約で「手話は言語である」と明記された。日本国内でも 2011 年に障害者基本法で手話の言語性が認められたが、手話とろう者への理解が十分に浸透しているとは言い難い。
ICT 活用が広く推進されている一方で、手話学習は学習者が手話の映像等を見て手話を記憶する形式が主流となっている。「手話タウン」は、学習者が学んだ手話を、パソコンカメラの前で表現すると、その手話表現が学習できたかを AI(人工知能)技術で確認することができる世界初(同財団調べ)の手話学習ゲームだという。
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