2022年1月20日
高卒で3年以内離職者の約半数が「入社1年目」 6割が「転職先を決めず」に離職=ジンジブ調べ=
ジンジブは19日、高校を2014~2021年に卒業して正規社員として就職し、現在も初職を継続中の227人と、入社後3年以内に離職した245人の合計472人を対象に実施した、「高卒早期離職に関するアンケート調査」の結果をまとめ発表した。
それによると、高校卒業後の初職を3年以内に離職した人に初職を離職した時期について質問したところ、「入社1~3カ月目」が14.5%、「入社4~6カ月目」が9.2%、「入社7~12カ月目」が22.2%、「入社2年目」が29.5%、「入社3年目」が24.6%だった。
入社1年以内での離職が45.9%で、3年以内離職者の約半数が「1年目で離職した」と回答している。
初職を離職した理由を聞いたところ、「人間関係によるストレス」が54.3%、「長時間労働のため」33.5%、「業務内容でのミスマッチ」20%、「待遇や福利厚生に対する不満」13.9%、「他にやりたいことが見つかったため」「病気や怪我などによる健康状態の悪化」が各13.5%、「キャリア形成が望めないため」7.8%、「家庭の事情」6.9%、「会社の業績の悪化」5.3%、「キャリアアップのため」3.3%だった。
離職理由についてコロナの影響を聞いたところ、「離職理由にコロナは影響していない」との回答が81.6%、「給与が減った」が7.8%、「会社の業績が落ち込んだ」6.9%、「働き方の変化」5.3%、「担当業務が少なくなった」3.3%、「就職活動時に求人が選べる状況になかった」2.9%、「企業訪問できずに就職し思っていた会社・仕事内容と異なった」0.8%。
初職を離職の際に次のキャリアについてどの程度描けていたかを聞いたところ、「転職先を決めて辞めた」が29.8%、「転職先を決めずに辞めたが将来像は描いていた」23.3%、「転職先を決めずに辞め将来像についても描けていなかった」37.1%だった。
全体の6割が転職先を決めずに離職し、およそ4割が将来像を決めずに離職していることが分かった。
初職の離職後、どのくらいの期間で再就職したかを質問したところ、「1カ月未満」が31.4%、「1~2カ月未満」13.9%、「2~3カ月未満」11.4%、「3~6カ月未満」11%、「6カ月~1年未満」6.9%、「1~1年半未満」4.1%、「1年半~2年未満」0.8%、「2~3年未満」2.9%、「3年以上」2%、「再就職はしていない」が13.9%だった。
再就職した人に初職を離職後の再就職ではどのような雇用形態を希望していたのかを聞いたところ、「正規社員」が57.5%、「契約社員」7.2%、「派遣社員」8.2%、「パート・アルバイト」25.1%。4割が非正規雇用を希望する結果となった。
再就職した人に初職を離職後の実際の再就職はどのような雇用形態だったかを聞いたところ、「正規社員」が51.7%、「契約社員」10.6%、「派遣社員」10.6%、「パート・アルバイト」26.1%、「個人事業主」0.5%だった。
希望通りにならなかった理由として、「正社員の募集が少なかった」、「未経験のためアルバイト登用しかなかった」、「良い仕事がなかったから」などの声が寄せられた。
初職を離職後の転職活動の際に何を利用したか質問したところ、「ハローワーク」が42%、「転職サイト」37.6%、「友人の紹介」13.9%、「家族・親戚の紹介」12.7%、「転職エージェント」6.5%、「高校の先生」1.6%、「転職冊子」1.6%だった。
就活した人に初職を離職後の転職活動で苦労したことを聞いたところ、「履歴書の作成」が20.7%、「情報収集」18.1%、「面接が通らない」14.5%、「相談できる人がいない」12.3%、「学歴などの応募資格」9.3%、「書類選考が通らない」6.2%で、「特になかった」も41.9%あった。
再就職した人に初職を離職後の転職をする際に希望の職業に就けたか質問したところ、「はい」が57%、「いいえ」が19.3%、「どちらとも言えない」が23.7%だった。
就活をした人に初職を離職後の転職活動時はキャリアについて考える時間が充分に取れたか質問したところ、「はい」が44.9%、「いいえ」が21.6%、「どちらとも言えない」が33.5%だった。
就活をした人に転職活動時にキャリアについて考える時間にどんなことをしたか質問したところ、「自己分析」が26.9%、「求人票の閲覧」22.5%、「ナビサイトでの求人情報収集」15.9%、「先輩・社会人の話を聴く」7%、「企業研究」5.7%、「業界研究」4.4%、「転職エージェントに相談」「就活イベント」が各4%、「会社説明会」2.6%。
卒業後の進路に就職を選んだ理由について聞いたところ、全体的に「早くに自立したいため」との回答が多く、勤続中の人が39.2%、3年以内離職者が40.4%だった。
「進学したくない」、「就きたい職業が決まっている」など自らの意思で進路選択をする項目が、継続中の人と3年以内離職の人とで回答に差が生じた。
初職を決めた理由を聞いたところ、1位が「勤務地」、2位「仕事内容(職種)」、3位「給与」と、勤務条件を重視する回答が多かった。初職を継続している人の回答数が多く、決め手となった理由が多い人が初職を継続しやすい傾向にある。
入社後にギャップを感じたことを聞いたところ、1位が「業務内容」、2位「労働時間」、3位「人間関係」、4位「福利厚生」、5位「キャリア形成」だった。
3年以内に離職した人は特に「人間関係」が多く、継続している人は「特にない」が比較的多かった。全体的に見ても、3年以内に離職した人の方がギャップを感じたと回答した数が多いことが分かる。
高校の進路指導や就活の時に教えて欲しかったことについて質問したところ、総合1位が「自分がどんな仕事に向いているか」、2位「就職後のこと」、3位「社会にどんな仕事があるか」だった。
高校の就活時、何社の職場見学に参加したか聞いたところ、勤続中の人も3年以内離職者も「1社」が最も多かった。全体を比較すると、「2社以上」の職場見学に参加した人は初職を継続中の人が45.8%、3年以内離職者が31%だった。
また、3年以内離職者の22.9%が職場見学をしないまま就職していることも分かった。
この調査は、高校を2014~2021年に卒業して、初職を正規社員で就職し現在も継続中の人と3年以内に離職した人を対象に、2021年12月8日~9日にかけて、インターネットで実施した。有効回答数は472人(内訳:初職を継続中の人227人、3年以内の離職者は245人)。
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