2019年2月5日
「TELLO」を使った小学生向けドローンプログラミング体験会で歓声
映像制作に携わってきた仕事柄、ヘリコプターでの空撮を幾度となく経験してきた。高度1000メートルを超えると、そこから見える景色は「地球」という大きな風景になる。高度数10メートル~100メートくらいで飛んでいると、なんとも言えない「浮遊感」と「スピード感」を感じる。まさに「飛んでいる」感覚である。これほど気持ちの良いものはないのだが、ヘリコプターをチャーターするには1時間数万円以上必要だし、日本の法律で低空飛行をどこでもできるわけでは無い。
ドローンの魅力は空を自由に飛ぶこと。人類の持つ「飛びたい」という欲求に応えてくれるところだろう。そんなドローンを使った小学生向けのプログラミング体験会があるというので覗いてみた。
開催したのは、セキド無人航空機安全運用協議会 (SUSC)。場所は、セキド虎ノ門本店フォーラム。講師は、SUSC事務局の糸野隆雄さんと北村祥之臣さんが務めた。この日参加した3名の小学生はみな、多少のプログラミング経験のある子どもたち。
はじめに「ドローンて何?」「安全に楽しむために」といった基本を座学で学び、つづいてプログラミングも学べる教育用のドローン、DJIの「TELLO EDU」を実際に飛ばしてみる。
「TELLO EDU」は正確なホバリングや適度な飛行速度で安全に飛行したり、1台のデバイスで複数台を一度にプログラミングできたり、画面上のコーディングブロックをドラッグするだけで機体の動作をプログラミングできるブロックプログラミングに対応したりと、まさにプログラミング学習に最適のドローン。
飛ばす前の大切な注意として、「TELLOのまわり3m以内に人がいないことを確認」、「飛ばす前には“飛ばします”とかならず声を掛ける」の2点を確認。また、飛ばすと楽しいドローンだが、自分に向かって飛んできたらやはり「こわい!」と感じてしまう。そんな時の対策として糸野さんは「叩き落とす」という技を伝授してくれた。TELLOは45度以上傾くと飛行を停止する機能があり、叩くことで斜めになって落下するのだという。もちろん、簡単に壊れたりもしないから安心して「たたき落として良い」という。
プログラミング飛行の前には、リモコン操作での飛行を体験。自分の操縦でドローンが飛び上がると「飛んだ~」「お~」と歓声が挙がった。
ドローンの飛行をプログラミングするためには、「TELLO EDU」専用のプログラミングアプリを使用する。このアプリが優れているのは、プログラミングした飛行を動画でシミュレーションできるところ。
プログラミングは試行錯誤の連続だが、試す度に実際に飛ばしていたら、不測の事態のリスクも高まるし、人数が増えれば順番待ちやスペースの確保も大変だ。このアプリは、繰り返し行われるシミュレーションをタブレットの画面でできるので、何度でも各自で行うことが出来る。
4角形を描いて飛行するプログラミングでは、シミュレーションでうまく出来て実際に飛ばしてみると想定通りに飛ばないということも起こった。シミュレーションにはない、ドローンの個体差や空気の流れ、慣性などで必ずしもプログラミング通りに飛行しないことも子どもたちは体験する。
基本的なドローンコントロールの飛行プログラミングを学んだとは、いよいよメインイベントの障害物競走にチャレンジする。これは、コーンやポールで描かれたコースを距離と角度を計測して、その結果を基に飛行をプログラミング、ゴールを目指すというもの。分度器と長さを測るひもを渡された子どもたちは、それぞれコースを測りながらプログラミングに取り組んだ。
基礎的なドローンプログラミングを学習しただけの子どもたちには、ハードルが高すぎるのではないかと危惧していて見ていたが、遊んでいるように楽しみながらどんどん飛行精度を高め、ゴールの近くまできたところで3時間の体験会はタイムアップとなった。終了後、もっとやりたいという要望を受けて30分延長して飛行体験が行われた。
今回の体験会についてSUSCの糸野さんは、「はじめての開催でしたので、準備不足や戸惑いもあったのですが、子どもたちが楽しそうにプログラミングを体験してくれたようで本当に良かったです。プログラミング学習用のツールには、ビジュアル言語やロボットなどがありますが、ドローンは“飛ぶ”というのが最大の特徴で、子どもたちの興味の示し方も特別です。SUSCはドローンユーザーや企業団体に対して“安全で効果的なドローンの運用や活動”についての教育活動を行っていますが、今後は、子どもたちへのドローンを活用したプログラミング教育にも取り組んでいく予定です」と、ビジョンを語ってくれた。
「大きさ、価格、プログラミングアプリ」1台欲しくなるプログラミング学習ツールだなぁ、と感じた記者であった。
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