2023年9月25日
DNP×レノボ・ジャパン、不登校児童などに3Dメタバースで「学びの場」提供
大日本印刷(DNP)とレノボ・ジャパンの2社は22日、不登校や日本語の指導が必要な東京都の児童・生徒に、3Dメタバースで居場所と学びの場を提供する取り組みを行うと発表した。
今回の取り組みは、両社が、東京都の「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム事業に係るプラットフォーム構築・運営組織」に採択されたのを受けて実施するもので、都の公立学校に在籍する、日本語指導が必要な児童・生徒約5000人、不登校の児童・生徒約2万2000人(2021年度)に、オンラインの仮想空間を活用して居場所や学びの場「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」(VLP)を提供する。
すでに9月1日から取り組みを開始しており、2023年度は8自治体(新宿区、墨田区、渋谷区、中野区、杉並区、八王子市、狛江市、多摩市)と、教育庁地域教育支援部生涯学習課所管の4カ所の「学びのセーフティネット」を対象に実施する予定。
取り組みの具体的な内容は、まず、文科省が推進する「GIGAスクール構想」で使用する多様な情報端末などでも、Webブラウザーで快適に動き、臨場感のあるコミュニケーションを実現する3次元(3D)メタバースを提供する。
3Dメタバースは、空間内の人のアバターや各種アイテムなどの大きさや動きなどをリアルに体感でき、空間への没入感が高くなるため、児童・生徒の参加意欲の向上につながるほか、児童・生徒は多様なアバターのリアクションで豊かな表現ができるようになる。
また、小中高の各学校で一貫して、ブロックプログラミングからテキストコーディングまでのプログラミング学習ができるWeb教材「みんなでプログラミング」も提供。利用者の興味・関心を引き出しながら学習できるこの教材は、すでに全国の小中学校で100万ユーザーを超える実績がある。
さらには、不登校対策支援の実績が多い小中学生向けWeb学習コンテンツとして城南進学研究社の「デキタス」を、高校生向けの教材としてすららネットの「すらら」を、外国にルーツを持つなど日本語の指導が必要な児童・生徒向けに「すらら・にほんご」を、それぞれ提供するほか、ECCによる日本語指導の特別講座も毎月開催する。
支援対象の児童・生徒には、CSR(企業の社会的責任)活動の一環としてレノボ・ジャパンと協業実績があり、不登校対策支援で実績があるNPO「キッズドア」の研修を受けたオンライン支援員が、3Dメタバース内で寄り添う。
また、児童・生徒が3Dメタバースと現実社会をつなげて考えられるような仕掛けとして様々なイベントを開催するほか、日本語の指導が必要な児童・生徒向けのキャリアイベントや、保護者向けの多様な進路セミナーなども開催。DNPが運営するメタバース上の施設を利用した、美術館や観光地の見学会なども企画している。
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