2017年8月31日
古河市上大野小、先生たちが公開研究会でプレゼンに挑戦
パナソニック教育財団第42回特別研究指定校の古河市立上大野小学校は8月23日、「平成29年度第1回公開研究会」を開催した。
テーマは、「タブレットは子どもたちを変える!?~教育の中でのプレゼンテーション~」。冒頭挨拶した滝本秀夫校長は、「ICTを学びのツールとして効果的に活用するために、参加者が実際に体験できる研究会を開催した」と目的を語り、模擬授業でタブレットやプレゼンテーションアプリ「ロイロノート・スクール」などの使い方をサポートするメンターとして、今年同校を卒業した女子生徒4名を紹介した。昨年開催された「古河市教育ICTフォーラム」などで見事なプレゼンを披露した生徒だ。
上大野小学校のプレゼンテーションへの取り組みについて「研究概要説明」した同校の薄井直之教諭は、今後の課題として、「プレゼンテーションを行った後、聞き手に伝わったかどうかの評価の方法について検討」、「試行版のMP表をブラッシュアップし、認定制度を確立する」、「児童のプレゼンテーションに対する指導方法を明確にして、教員が共通理解を持つ」の3点を挙げた。
「MP表」とは、「マスター・オブ・プレゼンテーション」という認定制度で、低・中・高学年別に、「分かり易く伝えるための組立」、「伝えるために必要な資料」、「相手に伝わる話し方」、「伝えたいことが伝わったか」の4つの基準で評価しようというもの。論理的思考、ICT=情報活用能力、表現力の集大成としてのプレゼンテーションの役割が、実に分かり易くまとめられている。
公開研究会のメインイベントとなる「テーマ別セッション」では、4つの模擬授業が行われた。3年生社会の「いろいろな地図記号」、6年生外国語の「Let`s go to Italy」、高学年の特別活動となる「朝のスピーチタイム」、そして滝本校長も授業者として参加した5年生の理科「植物の実や種子のでき方」。
「植物の実や種子のでき方」の本時の目標は、「秋に見られるいろいろなタネの観察を通して、タネには運ばれるための仕組みがあることを理解することができる」。
いろいろなタネを用意して、その運ばれ方についてグループで調べる。飛ばしたり、転がしたり、水に浮かべたり、服に付けたりして実証し、写真や動画を撮影して、得られた情報や資料を発表のために「ロイロノート・スクール」を使ってまとめる。
発表では、写真や動画はもちろん、インターネットで調べた情報や形を分かり易く表現するための手描きイラストまで使い、短時間の作業とは思えないほど完成度の高いプレゼンテーションを披露するチームもあった。
授業はできるが「プレゼンテーションは苦手」という先生が多いという話を聞くが、基礎知識と機会さえあればきっと楽しめるはずである。ICTを活用すれば、情報収集も思考も発表もより効率よく学びを深化するとこができる。これまでの「調べ学習~発表」を、「論理的思考~情報活用~プレゼンテーション」に進化させて欲しい。また、上大野小学校の取り組みに注目しては欲しい。
関連記事
最新ニュース
- iTeachers TV Vol.436 千葉県立市川工業高校 片岡伸一 先生(後編)を公開(2024年12月11日)
- 山梨県、2025年度から25人学級を小学校5年生に拡大、26年度には全学年に導入(2024年12月11日)
- GUGA、大阪府と「求職者等へのDX(IT)に関するスキル等の習得を通じた持続可能な就職支援モデルに関する協定」を締結(2024年12月11日)
- 指導要録の「行動の記録」、教職員の96%が「明快な評価ができていない」と回答 =School Voice Project調べ=(2024年12月11日)
- 仕事をしている母親の子どもの方が希望の中学校に合格している =ひまわり教育研究センター調べ=(2024年12月11日)
- LINEヤフー、「Yahoo!検索」で検索結果面に小学校で習う漢字の書き順動画を掲出(2024年12月11日)
- カラダノート、「ママ・パパが選ぶ今年の漢字ランキング」を発表(2024年12月11日)
- 大学就学を支援する返済不要の給付型奨学金「金子・森育英奨学基金」 総額260万円への増額(2024年12月11日)
- ノーコード総合研究所、大阪府立吹田東高校で「ノーコード開発研修」を実施(2024年12月11日)
- Musio ESAT-J通信教育、世田谷区立太子堂中学校と実証実験を実施(2024年12月11日)