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2020年5月4日

コロナ禍で急展開したICT活用 子どもの想いに応える教諭らのチャレンジ/東京創価小学校

東京創価小学校(東京都小平市・国分寺市)は、武蔵野台地、玉川上水をのぞむ緑多い環境で全校575名の児童が学ぶ1978年開校の私立校。

ICT化の取組みと計画

東京創価小学校のICT化への取り組みは2012年、電子黒板の導入からスタートした。コロナウィルスによる休校前の時点では、校内のどこでもネットワークにつながるように教室、グラウンド、体育館に無線LANが完備されており、全教室には電子黒板と実物投影機も設置されデジタル教科書やノートを投影してICT機器を活用した授業が行われていた。調べ学習やドリル学習など授業で活用できる共有端末があり、他にも、体育の授業で跳び箱の動画を撮影しフォームをチェックしたり、短距離走の順位判定に用いたりと多様な活用も進められていた。

次のステップとして、文部科学省のGIGAスクール構想に伴って、児童1人1台の端末貸与とICTを活用した学びを推進するために、家庭のICT機器やネットワーク環境を春休み中に調査する予定であった。子どもの発達段階にあったデジタルとアナログのバランス良い学びを一定期間かけて効果を見極めながら進める計画があった。

コロナ休校での対応

ところが、新型コロナウィルス感染症の流行によって、急遽2月27日に修了式を行い、3月4日より臨時休校となる。急なことで、児童らは必要最低限の教科書などの荷物しか持ち帰れないような状況であったという。ICT化計画は急展開し、家庭のICT環境調査と並行して、自宅での学習をすぐに提供しなければならない事態となった。全ての家庭に子どもが日中使用できるタブレットやPCがあるわけではなかった。ネットワーク環境は、ほぼ全ての家庭で利用できることは確認できだが、保護者がテレワークなどで端末を利用できる時間に制約があったり、子どもに機器を使用させるために見守ることが難しかったり課題があった。

江添光城教諭や伊藤宣彦教諭らが中心となり、スピードを重視して、できることから段階的に家庭へ学習機会を届ける取り組みが始まった。まずは休校から時間をあけず、出版社の許可を得て、コロナ休校対応で無償提供されているワークシートを印刷し全校児童に郵送することから始めた。

次のステップとして、すららネットなど無償で開放されているオンライン教材を児童に配信した。また教諭らが iPadのカメラで撮影した動画を子どもに届ける取り組みも始めた。いずれもじっくり計画を練る時間的な余裕がなく不安もありながら、児童の学びのために挑戦を続けたという。

オンライン教材「すらら」の活用

「すらら」学習画面

すららネットは、コロナ休校中の対応として2月28日から小中高等学校へ「すらら」IDの無償提供を行っている。休校中の10万以上の児童生徒にIDを提供中だ。

江添光城教諭

「すらら」は、無学年式で小学校から高校までの、国語、算数・数学、理科、社会、英語の主要5教科全てを児童一人ひとりの理解度、ペースに合わせて学ぶことができるアダプティブなeラーニング教材。レクチャー機能、ドリル機能、テスト機能がある。

「今回のコロナ休校では、急遽オンライン教材を配信することになり、迅速さも重要であった。そのような中、どの学年にどの課題を送るのか教諭が選定するとその分時間がかかってしまう。復習をしたい児童、意欲的に予習に挑戦したい児童などそれぞれが取り組める無学年式のすららが結果的に非常に良かったと思う。アニメーションキャラクターと一緒に学べるのでゲームのように楽しみながら、各自が目標を決めて学べている。」と江添教諭は語った。

全児童に届ける、教諭らによる動画配信

伊藤宣彦教諭

教諭らは、3月中に実施予定であった授業、休校中の児童へのエールを込めたメッセージを、保護者向けのWebサイトを通じて動画で配信している。家庭での時間や機器を選ばず、全ての児童に届けるには動画が最適だと考えた。既に全学年に授業動画を配信しており、家庭からは「先生の動画を何回も繰り返し見て過ごしています。」「先生が紹介した作り方を見ながら、料理を作ってみました。」といった声が寄せられていて、動画の再生回数とともに教諭らの大きな励みになっているという。また新入生には、オンライン入学式に向けて校歌を練習するための動画も配信した。

鳴海悦子教諭

スピード感を重視し動画撮影に挑んだが、慣れない教諭にとっては非常にプレッシャーもあった。まずは、教諭全員で1本の動画撮影を行い配信、次に学年ごとに1本ずつ撮影し配信というように繰り返してから、教科ごとの撮影へと移っていった。「反復による慣れと児童の反応の確認を経たことで個々の撮影がスムーズになった。」と伊藤教諭は振り返った。

鳴海悦子教諭は、「当初は、専門用語が多くてICT機器の活用は難しいと感じていたが、ICT担当教諭や詳しい教諭がレクチャーで教諭全体の底上げを図ってくれる。そうして得た知識を活かし様々なアイデアを試してみようと意欲がわいてきている。子どもたちへの想いにも通じるが自分自身も“このような時にこそ、できることを試してみよう“と思って日々のぞんでいる。」と明るい表情で語った。

子どもの「見てほしい」という想いに応える

4月に入ると、子ども達から手紙や葉書で家庭での取り組みの様子が学校に届くようになった。4月2週目からはGoogleフォームを活用し「みんなの様子教えてフォーム」という校内の投稿サイトを立ち上げた。すると2週間で投稿数が400件超と教諭らも驚くほどの反響があった。学習したドリルのページの写真、庭で撮影した一輪車の練習風景などそこには「先生に見てほしい」という児童の想いが溢れていた。ICTを活用した教諭と児童ひとりのコミュニケーションから、児童どうしのコミュニケーションへと広げるために5月に向けて「みんな元気プロジェクト」が始動した。児童一人ひとりが友達へのエールとして画用紙に書いた「元気が出る一言」を掲げて写真撮影し投稿、全校で1枚のポスターに仕上げ共有する予定だという。

上段:「みんな元気プロジェクト」に寄せられた児童の元気が出る一言
下段:「みんなの様子教えてフォーム」に投稿された漢字練習、「みんな元気プロジェクト」に寄せられた写真をまとめたもの

ICT化に際して大切なこと

「本来なら調査から数年かけて段階的に進める予定であった1人1台の端末貸与やオンライン学習だが、コロナ休校があって急遽進めることになった。検討に時間をさけず不安もあったが、一方でコロナ禍だからこそ、このスピード感で前に進むことができた。
今後は、やはり丁寧にきめ細やかに、児童の発達段階に応じデジタル学習と、鉛筆・ノートを使った従来の学習との使い分けを検討したい。ICT機器の強みである個別最適化で児童一人ひとりに寄り添う指導ができるよう様々な教材やツールを用いて取り組んでゆくことは変わらないだろう。」と江添教諭は語る。

コロナ休校でICT活用を模索する中、教諭らが「試してみよう」という姿勢を持つことが大切だ。導入前に不安があっても「まずやってみよう」と始め、教諭どうしの情報共有や教え合い、試行錯誤の中から様々なアイデアが出てこのような成果をあげることができている。子ども達とともに、教諭自らチャレンジする心を持ち続けたいと、東京創価小学校の職員室は意欲に満ちあふれていた。

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